セミナー/ウェビナーの効果測定方法とは?具体的なチェック項目を紹介

セミナー

はじめに

オンラインで手軽に集客できるウェビナーの登場により、営業・マーケティング施策の一環としてセミナー/ウェビナーを取り入れる企業が増えています。
しかし、セミナー/ウェビナーの取り組みを開始したものの、明確な効果がなかなか現れず、「どう効果測定すればよいのか」と悩む企業担当者は多いです。セミナー/ウェビナーを成果につなげるには、開催するごとに改善を繰り返し、効果を引き上げていく必要があります。適切な効果測定の方法が分からない場合、現状の把握や改善ができず、ますます成果が遠のいてしまうでしょう。
本記事では、セミナー/ウェビナーの効果測定の方法として、具体的な手順やチェック項目、目的別の効果測定例を紹介します。営業・マーケティング施策としてセミナー開催を検討している方、すでに取り組んでいるが成果が出ていないという方は、ぜひ参考にしてみてください。

セミナー/ウェビナーの効果測定が難しい理由

そもそもセミナー/ウェビナーの効果測定が難しい理由としては、以下の3点が挙げられます。

  • 開催目的によって基準が変わる
  • セミナー/ウェビナー単体での評価が難しい
  • 成果が出るまでに時間がかかる

 

開催目的によって基準が変わる

セミナー/ウェビナーと一言でいっても、開催目的はさまざまです。具体的には、営業・マーケティング活動の一環として開催する場合、以下のような目的が挙げられます。

  • 見込み顧客の獲得
  • 見込み顧客の育成
  • 既存顧客の満足度向上
  • 既存顧客への追加提案
  • 既存顧客との関係性向上

目的によって達成すべき目標が変わるため、単純なセミナーの集客数だけでは効果を測定できません。
例えば、見込み顧客の獲得を目的として開催する場合なら、集客数に加えて参加率や見込客転換率をチェックする必要があります。セミナー終了後のアンケートなどを通じて自社サービスへの興味・関心の度合いを調査し、参加者の何割が見込客に転換したかを見ることが重要です。
セミナーの開催目的が異なれば効果測定に使用すべき指標も変わるため、自社の状況に合わせて適切な指標を見極める必要があります。

セミナー/ウェビナー単体での評価が難しい

また、セミナー/ウェビナーはそれ単体での評価が難しいという点も挙げられます。
セミナー/ウェビナーは、営業・マーケティング活動の一環として実施されることが多いです。開催目的や内容によって多少の違いはあるものの、セミナー開催直後に顧客を獲得できることはほとんどないでしょう。セミナーの開催によって顧客が自社のサービスに好印象を抱き、その後営業部門がアプローチしたことで最終的に契約に至るというのが一般的な流れです。セミナーの開催だけで成果につながることはあまりありません。
セミナー/ウェビナーの開催によってその後の営業・マーケティング活動にどのような影響が出たのか、関連部署を巻き込んで見極める必要があるため、効果測定は簡単ではありません。

成果が出るまでに時間がかかる

さらに、セミナー/ウェビナーの成果が出るまでには時間がかかる点も、効果測定を難しくしている要因の1つです。特に見込客の獲得や既存顧客の満足度向上を目的としたセミナーの場合、短期的な成果としては表れにくくなります。
見込客の獲得を目的としている場合、セミナーで好印象を残せていたとしても問い合わせや発注のタイミングは顧客次第です。すぐに成果が出なくても、その後顧客にとって明確なニーズが発生したタイミングで問い合わせが来るかもしれません。時間がかかったとしても、問い合わせのきっかけとしてセミナーが貢献しているなら、効果として把握しておくべきです。
また、既存顧客の満足度向上を目的としている場合、それによって契約の継続に貢献していたとしても、数値としては把握しにくいでしょう。LTV(Lifetime Value:顧客生涯価値)によって顧客1社あたりが長期にわたってもたらす価値などを測り、セミナーの貢献度を測定していく必要があります。

セミナー/ウェビナーの効果を測定する方法

セミナー/ウェビナーの効果測定は簡単ではありませんが、手順やチェック項目を適切に設定すれば十分可能です。まずは以下4つのポイントで手順を解説します。

  • 目的を明確にする
  • KPIを設定する
  • 数値管理を徹底する
  • 費用対効果を算出する

 

目的を明確にする

まずはセミナー/ウェビナーを何のために開催するのか、目的のすり合わせを関係者間で行ない、言語化しておきましょう。目的があいまいなままでは、効果測定の方法も定まりません。
的確な集客や参加者の満足度向上といった観点でも、セミナーの目的を定めておくことは重要です。目的が定まることで、事前準備や企画内容に一貫性が生まれ、成果が出やすくなります。

KPIを設定する

目的が定まったら、それに応じてKPIを設定しましょう。KPI(Key Performance Indicator)は「重要業績評価指標」と呼ばれ、目的を達成するために重要な役割を果たす指標を指します。セミナー/ウェビナー運営においては、集客数や参加率、見込客転換率、セミナー後の受注数などが挙げられるでしょう。
セミナー/ウェビナー開催を担当する部門だけでなく、関連部署と協議のうえ決めることが大切です。KPIによる目標を低く設定すればセミナー・ウェビナーとしての目標達成は容易になりますが、実際の受注などに結びつかなければ意味がありません。目的を達成するためには各指標の定義・目標をどう設定すべきか、見極めることが大切です。

数値管理を徹底する

実際にセミナーの運用を開始したら、設定したKPIに対して実際の数値がどう推移しているか管理を徹底しましょう。適切なKPIを設定できていれば、数値のズレが生じた際に改善策を検討しやすいはずです。
とはいえ、いきなり最適なKPI・目標を設定するのは簡単ではありません。セミナーの開催を繰り返すなかで、少しずつ精度を上げていくのが現実的だといえるでしょう。

費用対効果を算出する

KPIによる管理を徹底していれば、セミナー/ウェビナーの効果を数値として把握できます。開催にかかっているコストに対して期待した効果が創出できているか、費用対効果を算出しましょう。
十分なメリットが得られているのであれば、広告などによって集客を増やすことになります。逆に費用対効果が想定より低ければ、集客方法やセミナーの内容を見直す必要があるでしょう。
費用対効果をもとにセミナーの内容や集客方法を見直し、改善を繰り返すことが大切です。

セミナー/ウェビナーの効果測定で重要なチェック項目

セミナー/ウェビナーの効果測定でチェックすべき項目は目的によって異なりますが、以下の6つの組み合わせでおおむねカバーすることが可能です。

  • 集客数
  • 参加率
  • 見込客転換率
  • 実受注数
  • 既存顧客の受注単価・LTV
  • 開催コスト

 

集客数

まず、必ず押さえておくべきなのは「集客数」です。セミナー/ウェビナーの申し込み件数は、参加率や見込客転換率を計算する際のベースになります。
集客数を増やすことでセミナーの効果は上がりやすくなりますが、その他の指標の改善を優先すべき場合もあるため注意が必要です。例えば、参加率や見込客転換率が低いまま集客数を増やしても、最終的な費用対効果は悪くなるでしょう。

参加率

申し込みがあった人数のうち、実際に参加した割合を示す「参加率」も重要です。一般的に、ウェビナーであれば60%以上が目安となります。せっかく集客に成功しても、開催までの間に参加者のモチベーションが下がったり予定を忘れられたりすれば、参加率は低迷することになります。
セミナーの参加率は、適切なタイミングでリマインドメールを送ることなどで改善が可能です。また、申し込みの際に参加者がGoogleカレンダーと自動連携できるよう設定しておけば、「開催日を失念していた」という参加者は少なくなるでしょう。

見込み客転換率

参加者のうち、将来的に顧客となる可能性のある見込客の割合を示す「見込客転換率」も非常に重要な指標です。特に、見込客の獲得を目的としてセミナーを実施する場合には、参加者のうち何割を見込客に転換できるかがセミナーの成否を大きく分けます。
見込客転換率は、終了後のアンケートで商品・サービス利用の意向をヒアリングすることで可視化が可能です。そのほか、セミナー資料のダウンロードリンクへのアクセス数なども参考数値として活用できるでしょう。

実受注数

実受注数は、セミナー/ウェビナーをきっかけとして受注に至った件数を指します。既存の顧客やセミナー以外の経路から獲得した顧客とは分けて管理することが大切です。
そのためには、セミナー/ウェビナーで初めて接点を持った顧客をリスト化し、その後の動きをフォローしておく必要があります。セミナーの実施が実受注にうまくつながっていなければ、ターゲットがずれている可能性があります。セミナーの企画内容を見直すなど、改善が必要になるでしょう。

既存顧客の受注単価・LTV

既存顧客に対するアプローチを目的としてセミナーを実施する場合、受注単価やLTVが上昇したかどうかも重要な指標となります。セミナー内で追加のサービスを提案したり、既存サービスの成功事例を共有したりすることで、1社あたりの受注単価やLTVの向上につながります。
セミナーに参加した企業をリスト化し、数値をフォローすることで可視化しましょう。

開催コスト

セミナー/ウェビナー開催にかかっているコストを把握しておくことも大切です。見込客転換率や実受注数が増えていても、そこから生み出される利益で開催コストをカバーできていなければ、長期的に継続できる取り組みとはいえません。
広告などを使っている場合は、広告コストをかければ集客規模を引き上げることは簡単ですが、コストパフォーマンスが悪化しては意味がありません。セミナーによる成果が出るまでには時間がかかるため一定期間の投資は必要ですが、将来的に費用対効果を高められるのかどうかは精査しておく必要があります。

【目的別】セミナー/ウェビナーの効果測定例

ここからは、以下5つの目的別にセミナー/ウェビナーの効果測定例を紹介します。

  • 見込み顧客の獲得
  • 見込み顧客の育成
  • 既存顧客の満足度向上
  • 既存顧客への追加提案
  • 既存顧客との関係性向上

どのような指標をKPIとして設定すべきか、自社の目的・状況を踏まえて確認してみてください。

見込み顧客の獲得

見込み顧客の獲得を目的としてセミナーを実施する場合は、集客数や参加率、見込客転換率をチェックすることで効果測定が可能です。
広告を投下して集客数を引き上げても、その後の参加率・見込客転換率が悪ければ費用対効果は悪化します。各数値のなかでどこに課題があるのか、見極めたうえで対策を講じることが大切です。
また、見込み顧客をどう定義するかも重要となります。実際に受注につながるような顧客とそうでない顧客をどう線引きし、「見込客転換」の判断根拠とするか、関連部署と協議しておく必要があるでしょう。

見込み顧客の育成

すでに見込み顧客として把握している企業を実際の問い合わせや発注に導くべく、セミナーを通じて育成(ナーチャリング)します。この場合、セミナー参加企業のうち実受注に至った企業がどの程度あるか数値化して管理することで、効果測定が可能となります。
実受注への転換率が悪ければ、そもそも見込客の定義がずれている可能性もあるでしょう。実受注につながった企業の特徴を洗い出し、見込客の定義を再検討するといったアプローチも可能です

既存顧客の満足度向上

すでに商品・サービスを利用している顧客に対し、セミナーを通じて応用的な使い方や成功事例を共有することで満足度の向上を目指します。この場合、既存顧客の受注単価・LTVをチェックすることで効果測定ができます。
そのほか、セミナー終了時のアンケートで商品・サービスの満足度や「活用のヒントが得られたか」といった点をヒアリングするのも効果的です。

既存顧客との関係性向上

ビジネスパートナーとしての信頼性を高めるため、セミナーで業界情報などを発信することで、関係性の向上を図ります。この場合、既存顧客のLTVをチェックすることで効果測定が可能です。しかし、即効性はないため長期的に見る必要があるでしょう。
また、セミナーの内容に対する満足度をアンケート調査するのも1つの手です。参考になったと感じてもらえているなら、顧客からの信頼を高めることに成功したといえるでしょう。

まとめ

本記事では、セミナー/ウェビナーの効果測定の方法として、具体的な手順やチェック項目、目的別の効果測定例を紹介しました。セミナーの効果測定といえば集客数に目が行ってしまいがちですが、営業・マーケティング活動の一環として実施しているなら見込客転換率や実受注率、LTVなどの指標がより重要です。
セミナーの効果測定は目的によって使うべき指標が異なるため、簡単ではありません。まずは仮説をもとにKPI・目標を設定し、セミナー開催を繰り返すなかで精度を高めていくのが現実的だといえるでしょう。
数値管理を徹底し、費用対効果を高めていけば、セミナー/ウェビナーは強力な営業・マーケティングツールになるはずです。

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