ウェビナー運営でよくある失敗と対策【事前準備〜開催後まで】

セミナー

はじめに

オンラインでセミナーを実施する「ウェビナー」が普及したことで、セミナーをマーケティング活動の一環として手軽に実施できるようになりました。

その反面、運営ノウハウがない状態でウェビナーに挑戦し、トラブルが発生するケースも珍しくありません。

いくらウェビナーへの熱意があっても、適切な準備と対策なしでは参加者を満足させることは困難です。

本記事では、事前準備・本番中・開催後という3つのフェーズに分け、ウェビナー運営のよくある失敗について、全体に共通するものから事前準備、本番中、開催後にいたるまで幅広くと対策を紹介します。

ウェビナー運営の成功率を上げたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

ウェビナー運営でよくある失敗と対策【全体共通】

まず、ウェビナー運営全体を通してよくある失敗として、以下の5つを紹介します。

  1. 担当者のリソースが足りない
  2. マーケティングノウハウが不足している
  3. 適切な配信方法を選んでいない
  4. 適切な講演時間を設定できていない
  5. 1度で成功させようとしてしまう

順番に見ていきましょう。

1.担当者のリソースが足りない

ウェビナー運営には、本番当日の対応だけでなく申し込みページの作成や各種媒体での集客、終了後の参加者フォローなど、大きな労力がかかります。

ウェビナー運営全体にかかる労力を小さく見積もった結果、担当者のリソース不足に陥るケースは少なくありません。

ウェビナー運営でこなすべきタスクとしては、以下のようなものが挙げられます。

    • 集客手段の選定
    • 告知ページの作成
    • 広告宣伝用クリエイティブの作成
    • 配信プラットフォームの選定・準備
    • ウェビナー開催告知の配信
    • 参加者に対する案内・リマインド
    • 参加者からの問い合わせ対応
    • 配信用機材の準備・テスト
    • 接続トラブルへの対応
    • ウェビナー終了後のアンケート収集
    • 参加者への資料共有

これらのタスクをすべて洗い出したうえで、運営メンバーを確保する必要があります。

2.マーケティングノウハウが不足している

ウェビナー運営を成功させるには、以下のようにさまざまなマーケティングノウハウが求められます。

  • ターゲット顧客の選定
  • ターゲット顧客に合わせた集客媒体の選定
  • SNSやメルマガを通じた情報発信
  • ウェビナーの価値が伝わる広告クリエイティブの作成
  • 参加意欲をかきたてるオファーの提示

ウェブマーケティングに精通した人材が社内にいない場合、ターゲット顧客に合わない集客方法を選んでしまったり、魅力の伝わらない宣伝をしてしまったりする可能性があります。

ウェビナー運営が軌道に乗るまでは、マーケティングのプロに支援してもらうのも1つの手だといえるでしょう。

3.適切な配信方法を選んでいない

ウェビナーは映像と音声を配信するだけだと思われがちですが、細かく分けると「コミュニケーションは一方向か双方向か」「配信はリアルタイムかオンデマンドか」など、複数の配信方法が挙げられます。

ウェビナーの内容に合った配信方法でなければ、参加者がストレスを感じてしまうでしょう。

例えば、研修などの講義形式であれば講演者が一方的に話す形式で問題ありませんが、参加者からも意見を募って一緒に作り上げる形式であれば双方向のコミュニケーションが欠かせません。

また、録画したものを随時再生してもらう「オンデマンド配信」は主催者にとっては便利ですが、臨場感が失われるといったデメリットがあります。

目的や内容に合わせ、最適な配信方法を選びましょう。

4.適切な講演時間を設定できていない

ウェビナーの講演時間を適切に設定することも重要です。

講演時間が長すぎると間延びして離脱率が上がる一方、短すぎると参加者の悩みを解消しきれません。

講演時間が足りずに質疑応答の時間がとれなければ、参加者の疑問を解消できないまま終了することとなり、ウェビナーの満足度が下がる要因になるでしょう。

本番同様のシミュレーションを重ね、精度の高いタイムスケジュールを組むことが大切です。

5.1度で成功させようとしてしまう

ウェビナー運営を成功させるには、繰り返し実施することで参加率や満足度などの指標を徐々に改善していくことが大切です。

1度目の開催でいきなり大きな反響を得られることはほとんどないでしょう。

しかし、最初から大きな成果を期待してしまうあまり、反響の小ささに「ウェビナーは効果がなかった」と落胆する人は少なくありません。

最初のうちは目標を低めに設定し、徐々に成果が出るよう試行錯誤を繰り返しましょう。

集客や講演内容が改善されれば、次第に大きなマーケティング効果を生むようになります。

ウェビナー運営でよくある失敗と対策【事前準備】

続いて、ウェビナー開催に向けたを成功させるには、念入りな準備が欠かせません。

まずは事前準備のフェーズでにおいて、よくある失敗とその防止に向けた対策を解説します。

  1. 申し込みが目標を下回る
  2. 案内メールが届かない
  3. 適切なタイミングでリマインドできていない
  4. リハーサルを実施していない

1.申し込みが目標を下回る

高い目標を掲げてウェビナーを企画したものの、集客がうまくいかないというケースは少なくありません。
申し込み数が目標を下回るのには、以下のような原因が考えられます。

  • ウェビナーの告知から開催日まで十分な期間を設けていない
  • 適切な集客方法を選べていない
  • ターゲットに刺さるコンテンツになっていない

告知を受け取って興味を持ったとしても、予定が埋まっていては参加してもらえません。

開催1ヶ月前など、まだ予定の空いている人が多いタイミングから開催を告知しましょう。

また、ターゲットに適した集客方法を選ぶことも大切です。

メールやSNS、オンライン広告、メディア掲載などさまざまな集客方法があるなか、ターゲットとの親和性が高い媒体を選択することで集客効率が高まります。

さらに、ウェビナーのテーマ自体に問題がある場合もあります。

ターゲットとなる層が抱えている課題を洗い出し、興味・関心の高いテーマを設定することが大切です。

2.案内メールが届かない

ウェビナーの告知や参加方法の案内、リマインドなどといった案内メールが届いていないケースも、ウェビナー運営でよくある失敗の1つです。

案内メールが届かない原因は、主に以下の2つです。

  • 迷惑メールに振り分けられている
  • スパムメール扱いされている

特にスパムメール扱いされた場合、迷惑メールフォルダにすら届かないため、案内メールとしては致命的です。

一般的なメールソフトによる一斉送信ではスパム扱いされるリスクがあるため、メールツールを導入するのがおすすめです。

SPFやDKIMなど、送信ドメイン認証技術を使っているメールツールなら、より確実に案内メールを届けられます。

3.適切なタイミングでリマインドできていない

ウェビナーは気軽に参加できる分、当日までに忘れられる確率も高いです。参加率を高めるためには、リマインドメールの活用が重要になるでしょう。

しかし、以下のような原因により、リマインドメールをうまく活用できていないケースが多いです。

  • スケジュールがギリギリすぎてリマインドする余裕がなかった
  • 適切なタイミングが見極められていない

ウェビナー開催の告知から本番当日までの期間が2~3週間しかないなど、タイトなスケジュールであれば、運営全般に余裕がないためリマインドメールの配信自体が少なくなりがちです。

企画の初期段階から、リマインドメールの配信も見据えてスケジュールを組むことが大切です。

また、リマインドメールの配信タイミングは、試行錯誤を経て改善していく必要があります。

数回のセミナー運営を経て、最適なリマインドメールの回数・タイミングを見極めましょう。

4.リハーサルを実施していない

ウェビナーには予期せぬトラブルがつきものであるため、本番と同じ形式での事前リハーサルは必須だといえるでしょう。

入念なリハーサルを怠り、本番になってトラブルに見舞われるというのもよくある失敗です。

例えば、主催者側の接続不良や音声トラブルが挙げられます。インターネット上で開催できるウェビナーは便利な反面、本番でのトラブルが多いのも特徴です。

余計な物音が入らないか、カメラやマイクの設定に問題はないかなど、リハーサルを通して確認しておきましょう。

ウェビナー運営でよくある失敗と対策【本番中】

次に、ウェビナーの本番中に発生しがちな失敗とその対策について解説します。
手間をかけて準備したウェビナーを成功させるためにも、入念にチェックしましょう。

  1. 参加できない人が一定数いる
  2. チャットを見てもらえない
  3. 機材トラブルで中断する
  4. 途中退出者が多い
  5. ツールを使いこなせない
  6. 余計な音や映像が入る
  7. 参加者による迷惑行為が発生する

1.参加できない人が一定数いる

参加する意思はあるものの、何らかの理由で参加できていない人がいるパターンです。

参加方法やの説明が不十分だったり、セキュリティ対策の説明が不十分なだったりする場合が考えられます。

参加者のなかには、ウェビナーで使用するビデオ会議ツールなどを使い慣れていない人もいます。

参加者への案内メールに詳しい操作方法を記載したり、操作手順をPDF資料としてメールに添付したりといった配慮が必要になるでしょう。

また、会社のパソコンを使用している参加者の場合、セキュリティ上の理由でブロックされる恐れがあります。

プライベートのパソコンやスマホから参加するなど、別の方法を案内しましょう。

1人1人に案内するのは手間がかかるため、事前の案内メールに説明を含めておくのがおすすめです。

2.チャットを見てもらえない

ウェビナーに関する案内をチャットに流しているにもかかわらず、参加者に見てもらえず、問い合わせが来てしまうというケースもあります。

原因としては、冒頭でウェビナーツールの操作説明をしていなかったり、チャットに案内を流している旨をアナウンスしていなかったりといったことが挙げられます。

ツールの操作方法を説明していない場合、参加者はどうチャットを確認すればよいかわからず、運営への問合せが増えてしまうでしょう。

また、ウェビナーの参加ルールなどをチャット上に流していても、その旨を口頭で伝えなければ気づいてもらえません。

同様の問合せが続く場合は、一度講演を中断して一言説明を入れてもよいでしょう。

3.機材トラブルで中断する

ウェビナーでは、機材トラブルでの中断もよく起こります。具体的には、以下のようなトラブルが多いです。

  • インターネット回線の混雑
  • 機器の動作不良
  • マイクのハウリング

インターネット回線の混雑については、時間帯による変化もあります。

本番と同じ時間にリハーサルを実施し、問題がないかチェックしておくべきでしょう。

機器の動作不良やマイクのハウリングについても、本番と同じ設定でリハーサルをすることで事前に不具合に気づく可能性が高まります

本番中にトラブルが起きてしまってはウェビナー運営に大きな支障をきたすため、必ず前日や直前に本番を想定したリハーサルを実施しておきましょう。

4.途中退出者が多い

セミナーが進行するにつれて、退室者が増えてしまうケースもあります。具体的には、以下のような場合に退室者が多くなるでしょう。

  • 本題とずれた話題が多い
  • 時間が長すぎて中だるみしている
  • 参加者の集中力を保つ工夫がされていない

ウェビナーのテーマとは関係がない情報や雑談が多すぎれば、期待した内容と異なると判断され、途中退出する参加者が増えてしまいます。

同じようなテンポでの説明が続く場合も、参加者は中だるみを感じてしまうでしょう。

参加者との距離を縮める「アイスブレイク」としての雑談は有効ですが、本筋から脱線しすぎないよう注意が必要です。

また、途中で講演者から参加者への質問を入れたり、参加者自身が取り組むワークショップを取り入れたりと、参加者が集中力を保てるよう工夫することも大切です。

5.ツールを使いこなせない

講師がウェビナーツールの機能を使いこなせず、参加者に手際の悪さを印象づけてしまうケースもあります。

ウェビナーツールには資料の共有やQ&A、アンケート、投票、録画などの機能が備わっています。

本番中にこれらの機能の使い方がわからず困ってしまうと、せっかくの流れが中断され、参加者の満足度低下につながりかねません。

当日にツールの使い方で戸惑うことがないよう、事前にリハーサルで一通りの機能を使って慣れておくのがおすすめです。

6.余計な音や映像が入る

周囲の雑音で音声が聞こえにくくなったり、背景に余計なものが映り込んだりするのも、ウェビナー開催中によくあるトラブルです。

内容に関係のない雑音や映像は、参加者の集中力を途切れさせ、進行に支障をきたす恐れがあります。

ウェビナー運営の際は雑音が入らないよう静かな空間を選んだり、余計なものが映り込まないよう背景画像を設定しておいたりすることで、トラブルを防止しましょう。

また資料を共有する際、パソコン上で開いていた別のウィンドウが映ることがあるため、不要なファイルを閉じておくことも大切です。

7.参加者による迷惑行為が発生する

ウェビナー開催中、チャット機能を使って不適切な内容を投稿したり、音声で発言をしたりする参加者が出てくる場合もあります。

インターネット上から自由に申し込め、開催中も双方向でのやりとりが可能なウェビナーだからこそ、起こりがちなトラブルです。

対策として、参加者の音声を強制的にミュート設定にしておいたり、迷惑行為を起こす参加者を退場させられるよう運営メンバーに権限を持たせたりしておきましょう。

また、本番中にスムーズな対応ができるよう、運営メンバー間で役割分担を決めておくことが大切です。

ウェビナー運営でよくある失敗と対策【開催後】

ウェビナーは無事に開催するだけでなく、その後の活動につなげてこそ意味があります。
ウェビナー開催後によくある失敗は以下の3つです。

  1. アンケートに答えてもらえない
  2. 資料の送付を忘れる
  3. 営業・マーケティング活動に繋がらない

1.アンケートに答えてもらえない

ウェビナー終了後にメールでアンケート回答を依頼するものの、回答率が悪いということはよくあります。

そもそも、受講済みのウェビナーに対してわざわざ時間を割いてくれる参加者はあまりいません。

アンケートの回答率を高める対策としては、ウェビナーを終了するタイミングでそのまま回答を依頼するのが有効です。

さらに、「回答者には当日の資料を送付する」といったインセンティブを設けることも、回答率アップにつながります。

参加者アンケートは、ウェビナーの成果を測るとともに、次回以降のウェビナーに向けた改善ポイントを探るための貴重なデータです。

アンケートの回答率を上げられるよう、工夫・改善を重ねましょう。

2.資料の送付を忘れる

「ウェビナー終了後に資料を送る」と参加者に伝えていたにもかかわらず、送り忘れてしまうケースです。

特に多いのが、参加者からウェビナー本番中に「今日の資料が欲しい」というリクエストがあり、口頭で了承した場合です。

資料の送付漏れを防止するには、「終了後のお礼メールに添付する」「アンケート回答者に自動で送信する」など、対応を事前に決めておくことが有効です。

資料を送付すれば、参加者のパソコンにデータとして残るため、社内で共有される機会も増えるでしょう。

資料内で商品・サービスの告知をしていれば、将来的なビジネスにつながる可能性もあります。

ウェビナー資料の共有は、積極的に行なうべき重要な取り組みだといえます。

3.営業・マーケティング活動に繋がらない

自社の商品やサービスの宣伝、あるいはマーケティング活動の一環としてウェビナーを開催したものの、その後のビジネスにうまくつながらないパターンもあります。
主な原因としては、以下のような点が挙げられるでしょう。

  • ウェビナーとサービスのターゲットが一致していない
  • 宣伝色が強すぎた
  • セミナーの内容だけで参加者が満足してしまった
  • アンケートで各参加者の反応を確認できなかった

ウェビナーを商品やサービスの宣伝・販売につなげるには、まずウェビナーのターゲットと顧客層を一致させることが重要です。

そのうえで、あくまでウェビナーとして参加者に価値提供をしつつ、自然な流れで商品・サービスの存在や価値を伝えます。

例えば、解決策の方向性はウェビナー内で提示したうえで、その実行には困難が伴うことを認識してもらえれば、その後のサポートの提案などが受け入れられやすくなるでしょう。

まとめ

本記事では、ウェビナー運営によくある失敗とその対策を紹介しました。

すべてをオンライン上で完結できるウェビナーは、会場を確保する手間や費用がかからず、手軽に参加者を集められるため、コストパフォーマンスに優れた有効なマーケティング手法の1つとなっています。

一方で、ビデオ会議ツールの活用や機材チェックなど、独自のノウハウがなければスムーズな進行は難しいでしょう。

本記事をチェックリスト代わりに活用しつつ、まずは回数を重ねることでウェビナー運営の効率・精度を上げていきましょう。

うまくウェビナーを活用できれば、事業に大きなプラスをもたらす貴重なマーケティングツールとなるはずです。

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