【満足度を高める】セミナーの内容・構成作成の流れを5ステップで解説

セミナー

はじめに

セミナーで講演する機会に恵まれるのは名誉なことですが、いざ準備をするとなると内容や構成の作り方に迷うという方は少なくないでしょう。
近年では、オンライン上でセミナーを行なう「ウェビナー」の浸透などにより、一般人でも手軽にセミナーを実施できるようになっています。そのため、自分の得意分野や経験、趣味などを生かし、セミナーの講演者として登壇するケースは増えています。
しかし、参加者に満足してもらえるようなセミナーを実施するのは簡単ではありません。うまく内容・構成を準備しなければ、「聞く価値がなかった」「時間をムダにした」などと言われてしまう可能性もあります。
本記事では、セミナーの満足度を高めるための内容・構成作成について、5つのステップでわかりやすく紹介します。今後セミナーの開催を控えているという方は、ぜひ参考にしてみてください。

セミナーの内容・構成作成の流れを5ステップで解説

セミナーへの登壇が初めての人でも、次の5つのステップに沿って準備を進めれば、満足度の高いセミナーに仕上げることが可能です。

  • 目的を明確にする
  • 参加者の属性を理解する
  • コンセプトを決める
  • 内容・構造を組み立てる
  • 時間配分を決める

 

目的を明確にする

第1のステップは、セミナーの目的を明確にすることです。一言でセミナーといっても、そのゴールはさまざまです。「誰のため」「何のため」のセミナーなのか、目的から逆算して内容・構成を作成する必要があります。
具体的には、大きく分けて以下3つのパターンが考えられます。

  • 依頼を受けて講演する場合
  • 有料セミナーとして販売する場合
  • マーケティングの一環として実施する場合

 

依頼を受けて講演する場合

1つ目は、第三者から依頼されて講演を行なうパターンです。この場合、まずは主催者側が期待している「セミナーのゴール」が何かを把握することが大切です。
例えば、企業から新入社員研修での講演を依頼された場合、ゴールが「身につけるべきビジネススキルの把握」なのか「新生活に向けたモチベーションアップ」なのかで語るべき内容は大きく異なります。
目的からずれた内容・構成でセミナーを準備してしまえば、主催者および参加者の期待を裏切ってしまうことになります。内容・構成の作成に入る前に、しっかりと擦り合わせすることが大切です。

有料セミナーとして販売する場合

2つ目は、セミナーを有料コンテンツとして販売するパターンです。自身が興味を持って追求してきたテーマや一定の実績を収めた分野において、独自の価値ある情報・経験を伝えられる場合、有料セミナーとして販売することが可能です。
有料セミナーのゴールとしては、参加者に「お金を払ってでも聞く価値があった」と感じてもらうことや、その結果としてよい口コミ・評価を獲得することが挙げられます。そのためには、ほかの類似コンテンツでは得られない情報やデータを盛り込むなど、参加費以上のメリット・付加価値を感じてもらえる内容に仕上げる必要があります。
ただし、セミナーの参加費を安価に設定し、「フロントエンド」として販売する手法をとる場合は少しアプローチが異なります。この場合、手頃な料金でセミナー参加者を募り、内容に共感してもらったうえでより高額な商品・サービスを「バックエンド」として紹介するのが目的となります。そのため、フロントエンドの時点で情報を出しすぎないよう内容の調整が必要です。

マーケティング活動の一環として実施する場合

3つ目は、商品・サービスの認知拡大や新規顧客獲得といったマーケティング活動の一環としてセミナーを実施するパターンです。
まず、セミナー自体を参加者にとって有益なコンテンツに仕上げたうえで、セミナーだけでは解決しきれない課題へのソリューションとして、自社の商品やサービスを紹介します。そのため、自社商品・サービスの価値を感じてもらい、興味を持ってもらうことがセミナーのゴールとなります。
例えば、EC関連のコンサルティング企業がEC市場攻略に関するセミナーを実施します。自社の知見を共有することで攻略のヒントを得てもらうとともに、実践が難しいと感じている場合は個別のサポートも可能と伝えることで、自社のコンサルティングサービスに興味を持ってもらうのです。
セミナーの内容を質の高いものに仕上げ、「この会社は信頼できる」と感じてもらうことが、その後の取引につながります。

参加者の属性を理解する

第2のステップは、セミナー参加者の属性を把握することです。具体的なセミナー内容を決める前に、参加者の年齢や性別、職業、居住地、興味・関心などについて理解を深めておくことが大切です。
例えば、主な参加者が大学生の場合とビジネスマンの場合では、言葉づかいや伝える内容を変える必要があるでしょう。参加者の属性を踏まえ、セミナーのテーマに対する理解度や抱えている課題・悩みを具体的に言語化することで、セミナーで伝えるべき内容がクリアになります。前提となる基礎的な知識から解説が必要な場合もあれば、いきなり高度な内容が求められている場合もあるのです。
参加者の属性に合わせて内容・構成を組み立てることで、満足度の高いセミナーへと仕上げられます。

コンセプトを決める

第3のステップは、セミナーのコンセプトの決定です。目的と参加者のイメージが明確になったら、どのような参加者にどのようなメリットをもたらすセミナーにするのか、方向性を決めます。
なんとなくのイメージでセミナーの内容・構成作成を始めてしまう人は少なくありません。しかし、参加者像と参加メリットを具体的にしたうえでセミナーのコンセプトを言語化していなければ、内容がブレてしまいます。
例えば、学生に対して「起業」に関するセミナーを開催する場合、「就職を控える学生たちに対し、将来的に起業という選択肢を持ってもらうためのセミナー」なのか、「すぐに起業したい学生たちに対し、具体的なノウハウを伝えるためのセミナー」なのかでは、大きく方向性が異なります。
満足度の高いセミナーにするため、誰に対してどのようなメリットをもたらすのか、コンセプトを具体化しましょう。なお、セミナータイトルを決定するのは最後でもかまいませんが、コンセプトとあわせて検討しておくことで「何を魅力として打ち出すべきか」がより明確になります。

内容・構成を組み立てる

第4のステップは、セミナーの内容・構成を組み立てる段階です。コンセプトに沿って、以下の流れで内容と構成を組み立てれば、流れが自然で満足度の高いセミナーに仕上がります。

  • 自己紹介・アイスブレイク
  • セミナー参加のメリット提示
  • 課題の整理
  • 解決策の提示
  • 関連サービスの紹介

以下、順を追ってそれぞれのポイントを解説します。

自己紹介・アイスブレイク

セミナーの冒頭には、自己紹介やアイスブレイクを入れます。長時間のセミナーにおいて、参加者に集中力や興味を持ち続けてもらうためには、最初の雰囲気づくりが大切です。そのためには、参加者との距離を縮める意識が重要となります。
例えば、出身地や経歴、そのテーマでの活動内容や受賞歴など、プライベートな情報をまじえながら自己紹介します。またはアイスブレイクとして、ちょっとしたクイズを取り入れたり、セミナーに参加した動機を何人かに質問したりと、場を和ませるような投げかけ・問いかけをするのも効果的です。
ただし、自己紹介・アイスブレイクが長くなりすぎると、「ムダな話が多い」との印象を与えてしまいます。参加者はあくまで「有意義な情報を求めてセミナーに参加している」のだという点を忘れず、適度に取り入れましょう。

セミナー参加のメリット提示

次に、セミナーへの参加によって得られるメリットを提示します。
セミナーの早い段階で「セミナーを最後まで聞くことで何が得られるのか」を明確にすることで、参加者のモチベーションを刺激し、集中力を持続させる効果があります。メリットを伝えないままセミナーを進行してしまうと、少し難解なテーマなどに触れた際、参加者は「なんとなく理解できていればいいか」などと妥協してしまいかねません。
例えば、「過去のセミナー参加者から、実際にこのアプローチを実践して売上が〇〇%向上したとの報告をもらっている」など、数値を含めて説明することで、セミナー参加のメリットをより具体的に感じてもらえるでしょう。
セミナー終了後に自分がどのような状態になっているのか、参加者がポジティブなイメージを描けていれば、より主体的にセミナーに臨んでくれるはずです。

課題の提示

整理された課題に対し、具体的な解決策を提示します。
ただし、いきなり解決策の提示に入るのではなく、参加者が事前に知っておくべき前提知識を説明することが大切です。事前説明を丁寧にすることで、なぜその解決策が有効なのかを深く理解してもらえます。
解決策の提示は、セミナーのなかでもっとも重要な部分です。内容が薄ければ、セミナーに対する参加者の満足度を大きく下げてしまう結果になりかねません。
実際にそのアプローチを通じて課題が解決された例などを豊富に盛り込み、説得力を高めましょう。参加者に「実際に活用できそう」「聞く価値があった」と感じてもらえるよう、具体的な解決策を提示することが大切です。

関連サービスの紹介

セミナーをマーケティング活動の一環として実施している場合は、最後に自社商品やサービスを紹介します。
ただし、セールス感が出すぎないよう注意が必要です。あまりに自社商品やサービスをプッシュしすぎれば、どんなにセミナーの内容がよくても「宣伝が目的だったのか」とみなされ、悪い印象が残ってしまいます。
セミナーはあくまで参加者にとっての学びの場であることを意識し、セミナー自体での価値提供を最優先にしましょう。

時間配分を決める

セミナー作成の最後のステップは、時間配分の決定です。セミナーの内容・構成が固まったら、それぞれのパートに時間を割り振ります。
2時間以上のセミナーであれば、途中に休憩を入れて参加者が集中を保てるよう配慮します。また、セミナー全体を前半と後半に分け、それぞれに参加型のワークショップを挟むなど、聞き手を飽きさせないメリハリのある構成にすることが大切です。
マーケティング活動の一環としてセミナーを実施する場合、あるいはバックエンド商品の販売を目的とする場合は、自社商品・サービスを紹介する時間も必要です。十分な時間が取れなければセミナー自体の目的を達成できなくなってしまうため、時間配分には余裕を持たせる必要があります。
また、セミナーの最後に質疑応答やアンケートの実施などを予定している場合は、最後に30分程度の時間を確保しておきましょう。

より魅力的な内容・構成のセミナーにするコツ

本記事では、セミナーの内容・構成作成の流れを紹介してきました。ここでは、さらに魅力的なセミナーにするためのコツを以下3つ紹介します。

  • データを集める
  • ワークショップを取り入れる
  • アンケートを集める

 

データを集める

セミナーのなかで課題を整理したり解決策を提示したりする際は、データによる裏付けを加えることで説得力が増します。単に「〇〇なケースが多い」「〇〇の傾向がある」などと伝えるだけでは、強い印象は残りません。
何かを主張する際は、その裏付け資料として使える公的なデータがないか探してみましょう。国や自治体、民間企業、シンクタンク、研究機関による調査レポートなど、丁寧に探せばインターネット上でもさまざまなデータが見つかります。ただし、データを使用する場合は著作権侵害にならないよう引用ルールに注意してください。
具体的な数字をまじえて説明することで、聞き手の印象に残りやすくなるほか、課題の大きさや解決策の有効性が伝わりやすくなります。

ワークショップを取り入れる

プログラムの一部にワークショップを取り入れるのも、セミナー満足度を高める有効な手段です。
セミナー登壇者が一方的に話すだけでは、参加者は「講演を聞く」という受動的な姿勢を保ったままになります。プログラムのなかに参加型のワークショップを取り入れることで、参加者がより能動的にテーマについて考え、セミナーの内容を今後に活かそうと考えるきっかけになります。
ワークショップといっても、簡単なものでかまいません。例えば、「参加者同士で意見を交わす」「意見をまとめて発表する」といった主体的な体験をしてもらうことで、セミナーの内容に対する理解が深まり、満足度も高まります。

アンケートを集める

セミナー終了後は、アンケートに回答してもらう時間も設けましょう。継続的にセミナーを実施する場合は、参加者満足度を高めるための重要なヒントが得られます。
セミナー本番中に反応が薄い部分があったとしても、アンケート回答を見ると意外と高評価だったということは少なくありません。第三者目線の客観的な意見をもらうことで、狙いどおりに伝わった部分、うまく伝わらなかった部分が明確になります。
指摘されたポイントは真摯に受け止め、改善を繰り返すことでより満足度の高いセミナーへと向上させることが可能です。また、参加者から寄せられた「目からウロコだった」「今後の活動にそのまま使える」などといったポジティブな声は、今後の集客の際にも使える貴重な素材となります。

まとめ

今回は、セミナーの内容・構成作成について5つのステップで紹介するとともに、より満足度を高めるためのコツも解説しました。
セミナーの内容・構成を作成する際は、まずセミナー開催の目的を明確にし、参加者の属性を正確に把握したうえでコンセプトを決めます。そして、自己紹介やアイスブレイクによって雰囲気づくりを行なったうえで、参加者の課題を明らかにし、解決策を提示します。データによる裏付けや、主体的な参加を促すワークショップなどを組み込めば、より満足度の高いセミナーになるはずです。
ぜひ今回紹介したポイントを踏まえ、「参加してよかった」「ぜひ今後に役立てたい」といった声の届く、満足度の高いセミナーを作り上げてみてください。

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