ウェビナーツール10選と選定する際に意識したい5つのポイント

セミナー

はじめに

近年における急激な社会環境の変化もあり、ウェビナーと呼ばれるオンラインセミナーが、あらゆる内容で数多く開催されるようになりました。
そこで本記事では、ウェビナーのメリットやデメリットに触れながら、主な10のウェビナーツールや、選定する際に意識したい5つのポイントについて、詳しく解説します。

そもそもウェビナーとは?メリット・デメリット

ウェビナーとは、ウェブ(Web)とセミナー(Seminar)を合わせて生まれた言葉であり、インターネットを活用しながら、動画などの配信を通してセミナーを開催する形態を指します。
ウェビナーには、大きく分けて、リアルタイムで開催しているセミナーを配信する「リアルタイム配信」と、録画したセミナーを配信する「録画配信」の2種類があります。後述するウェビナーツールを選ぶ際は、これら両方の機能を備えたものを選ぶと便利です。なお、リアルタイム配信は「ライブ配信」と呼ばれることもあります。
オンラインであることにより場所の制限から解放されるなど、そのメリットが注目されて急速に普及したウェビナーですが、当然デメリットも存在します。
ウェビナーのメリットは以下の通りです。

  • 場所の制限がない
  • 非接触のため感染症などのリスクがない
  • コストが抑えられる
  • オフラインには参加しない(できない)新たなターゲットの集客が可能

一方、デメリットは以下の通りです。

  • 商材によっては案件化が難しい場合がある
  • 通信トラブルが発生する可能性がある
  • 開催者が参加者との交流を深めにくい
  • 参加者間での交流が生まれない

ウェビナーの効果的な活用のためには、メリットだけではなくデメリットにも目を向けて、その特徴を把握することが大切です。

ウェビナーツールの概要や機能・価格相場

ウェビナーツールは、ウェビナーの配信を実現するためのさまざまな機能が実装されたWebツールです。カメラによる映像や、アーカイブされた動画が配信できる基本機能のほか、映像や音声が記録できる録画・録音機能、ウェビナー参加者に対してアンケートが実施できるアンケート機能など、製品によって異なるものの、多くの機能があります。
ウェビナーツールの主な機能は以下の通りです。

  • リアルタイム配信機能
  • 録画配信機能
  • 画面共有機能
  • 参加登録・出欠確認機能
  • チャット・コミュニケーション機能
  • アンケート機能
  • 決済機能

また、ウェビナーツールの利用料金にはさまざまなパターンがありますが、相場としては無料から月額数万円が目安になります。製品によっては数万円程度の初期費用が必要となるほか、「ベーシック」「ビジネス」「エンタープライズ」など、参加可能なアカウント数や利用可能な機能によって、3〜4種類のプランが用意されていることも多々あります。

ウェビナーツール10選の特徴・機能や活用場面

以下より、主な10のウェビナーツールについて、その特徴・機能や活用場面に触れながら紹介します。ウェビナーツールは、ここで紹介するもの以外にも数多く存在します。それぞれの特徴を把握し、セミナーの目的なども考慮しながら、最適なウェビナーツールを選定することが重要です。

1.V-CUBE セミナー

V-CUBEセミナー」は、最大で26,000ユーザーの同時接続が可能なウェビナーツールです。年間7,800件の配信実績を持つプロフェッショナルによる、充実したサポートを受けられるのも特徴です。

<主な特徴> ・大規模配信が可能 ・高い安定性 ・充実したサポート <主な機能> ・申し込みフォーム作成 ・画面共有 ・チャット ・アンケート ・マルチデバイス対応 ・資料の配布・ダウンロード <想定される活用場面の例> 経験の少ない担当者がサポートを受けながら大規模ウェビナーを開催したい場合

 

2.Cisco Webex Events

Cisco Webex Events」は、最大10万人が参加可能で、日本中から世界中まで広範囲に渡って数多くの参加者を対象にできるウェビナーツールです。

<主な特徴>
・大規模配信が可能
・世界中の参加者と高品質な映像によるやり取りが可能
・登録から開催後のフォローアップまでを管理


<主な機能>
・画面共有
・チャット
・Q&A
・リアルタイム翻訳・字幕
・ジェスチャ認識
・標準レポート・カスタムレポート


<想定される活用場面の例>
グローバル企業が世界中から参加者を募って大規模ウェビナーを開催したい場合

 

3.Adobe Connect

Adobe Connect」は、世界各国のトップ企業も活用している、高度なカスタマイズが可能なウェビナーツールです。オンラインでのやり取りを「仮想体験」と呼んでおり、リアルな仮想体験による参加者のエンゲージメント向上が可能です。

<主な特徴>
・現実のやり取りに相当するリアルな仮想体験が可能
・高度なカスタマイズが可能
・安心のセキュリティ


<主な機能>
・カスタムレイアウト
・共有テンプレート
・チャット
・アクションとリクエスト
・エンゲージメントダッシュボード
・イベント分析


<想定される活用場面の例>
画面レイアウト変更などのカスタマイズにより他社ウェビナーとの差別化を図りたい場合

 

4.YouTube ライブ

YouTube ライブ」は、世界最大の動画共有プラットフォームであるYouTubeを利用したウェビナーツールです。巻き戻し再生が可能なため、リアルタイム配信であっても途中参加者が最初から視聴できるという特徴があります。

<主な特徴>
・Google運営という安心感
・参加者と双方向のコミュニケーションが可能
・リアルタイム配信中でも巻き戻し再生が可能


<主な機能>
・チャット
・ライブ字幕
・録画・アーカイブ
・アナリティクスによる分析


<想定される活用場面の例>
知名度による安心感を享受しながらアナリティクスによる効果検証も実施したい場合

 

5.Cocripo(コクリポ)

Cocripo(コクリポ)」は、ウェビナー開催の手軽な実現を目指したウェビナーツールです。国産ツールならではの丁寧なサポートも付属しています。

<主な特徴>
・ウェビナーに特化し「とにかく簡単」を実現
・URLクリックだけの簡単操作で参加が可能
・安心のサポートとセキュリティ


<主な機能>
・申し込みフォーム作成
・画面共有
・チャット
・アンケート
・データ管理・分析


<想定される活用場面の例>
小規模なウェビナーをとにかく手軽に開催したい場合

 

6.Skype(スカイプ)

Skype(スカイプ)」は、ビデオ通話やチャットなどでおなじみのツールですが、ウェビナーツールとしても利用可能です。

<主な特徴>
・手軽に利用が可能
・抜群の知名度による安心感
・アカウント登録者も多く、参加の敷居が低い


<主な機能>
・画面共有
・ファイル共有
・チャット
・スクリーンショット
・翻訳


<想定される活用場面の例>
シンプルなウェビナーを少人数で手軽に開催したい場合

 

7.Zoom(ズーム)

Zoom(ズーム)」は、ビデオ会議ツールとして近年急激に認知を広げ、利用者数を伸ばしましたが、ウェビナーツールとしての機能もあります。

<主な特徴>
・インタラクティブ(双方向)の配信が可能
・CRMやMAツールとの連携が可能
・ビデオ会議ツールとしての知名度と安心感


<主な機能>
・画面共有
・チャット
・アンケート
・Q&A
・他ツール連携
・レポート


<想定される活用場面の例>
ビデオ会議ツールとしての実績と安心感を利用して参加の敷居を下げたい場合

 

8.LiveOn(ライブオン)

LiveOn(ライブオン)」は、音声遅延と音切れを極力回避する独自の技術により、高音質・高画質でストレスのない配信を実現するウェビナーツールです。

<主な特徴>
・高音質・高画質
・万全のセキュリティ
・充実したサポート


<主な機能>
・録画・録音
・ファイル共有
・アンケート
・出欠確認


<想定される活用場面の例>
重要なウェビナーを高いセキュリティと高音質・高画質の下で安心して開催したい場合

 

9.Bizibl(ビジブル)

Bizibl(ビジブル)」は、ウェビナーマーケティングに特化したウェビナーツールで、企画から集客、開催、開催後の分析までを、ワンストップで実現します。

<主な特徴>
・ウェビナーマーケティングに必要な機能をワンストップで提供
・自動化・定期開催化で運用負荷を低減
・分析・改善・戦略設計もサポート


<主な機能>
・申し込みフォーム作成
・告知・集客・申し込み管理
・画面共有
・ファイル共有
・チャット
・アンケート
・分析・アフターフォロー


<想定される活用場面の例>
ウェビナー開催後の効果分析を次の戦略に活かしながら定期的に開催を続けたい場合

 

10.eventos(イベントス)

eventos(イベントス)」は、参加者登録から開催、データ収集までを実現可能な統合ウェビナーツールです。導入から効果測定方法の支援まで、ウェビナー成功に向けたサポートがあるのも特徴です。

<主な特徴>
・オリジナルデザインでの開催が可能
・ウェビナー運営のすべてをワンストップで対応
・メール配信など運用ツールも充実


<主な機能>
・CSSカスタマイズ
・チケット販売・管理
・チャット
・アンケート
・メール配信
・CRM連携
・データ分析・ダッシュボード


<想定される活用場面の例>
ツール導入から開催後の効果測定まですべてをワンストップで実現したい場合

 

ウェビナーツールを選定する際に意識したい5つのポイント

ウェビナーツールを選定する際には、意識しておきたいポイントがあります。ポイントを把握したうえで、自社に合ったウェビナーツールを慎重に選定することが大切です。以下より、ウェビナーツールを選定する際に意識したい5つのポイントについて、解説します。

ウェビナーの目的を明確にする

自社にあったウェビナーツールを選定するためには、まずウェビナー開催の目的を明確にする必要があります。ウェビナーツールは製品によって特長が異なるため、目的によって最適なツールが変わってくる可能性があるからです。
例えば、見込み顧客(リード)の獲得がウェビナーの目的であるならば、1人でも多くの参加者を募ることで獲得の可能性が高まるため、「大人数の参加による大規模なウェビナーにも対応可能なツールを選定する」といった具合です。

機能やユーザビリティを検証する

ウェビナーツールを選定する際には、「目的やニーズを満たせるか」といった観点から、機能やユーザビリティを検証することも重要です。
大切なのは、開催者だけではなく、参加者の視点で機能や使い勝手を検証することです。参加者に必要な機能が備わっていない場合はもちろん、使い勝手に問題があるツールでは、ウェビナー参加の満足度や自社に対するエンゲージメントが大きく低下してしまう可能性があります。

参加者の使い勝手

ウェビナーツールにおける参加者の使い勝手を検証するには、いくつかのポイントがあります。主なものは以下の通りです。参加者として、実際にウェビナーに参加する状況をイメージしながら、検証することが大切です。

  • アカウント取得の必要性有無・方法など参加障壁は高くないか
  • 参加可能なデバイスは限定されていないか
  • わかりやすいデザインやUI(ユーザーインターフェース)になっているか
  • 利用中の参加者を迷わせることなく最後まで開催できるか

 

開催者の使い勝手

ウェビナーツールの選定においては、当然開催者の使い勝手を検証することも必要になります。開催者が操作にとまどっていては、ウェビナーの進行に支障をきたすばかりか、参加者が不安を抱いてしまうからです。開催者の使い勝手を検証する際の主なポイントは、以下の通りです。

  • 必要な機能が簡易な操作で利用できるか
  • わかりやすいデザインやUIになっているか
  • レスポンスのスピードや動作などに問題はないか
  • トラブル時のリカバリー方法などは明確か

 

実装されている機能

目的を達成するための各種ニーズを満たす機能が、ウェビナーツールに実装されているかを検証することも重要です。ウェビナーツールのなかには、手軽なウェビナー開催に特化し、機能を絞っているものもあります。特に、大規模なウェビナーで多くの企画を実施したい場合などは、必要な機能が備わっているかを確実に確認しておく必要があります。チェックしておきたい主な機能は以下の通りです。

  • 接続可能人数
  • 画面共有機能(資料や動画など)
  • 録画・録音機能
  • 参加者とのコミュニケーション機能
  • SNSなどの他サービスとの連携機能
  • 多言語対応(参加者を国内に限定しない場合など)

 

信頼性や実績をチェックする

ウェビナーツールの信頼性や実績をチェックするのも大切なポイントです。「信頼性は十分か」「トラブルなどの情報はないか」といった事柄に加え、他社における活用実績や導入事例も確認しておきます。もし豊富な実績や事例があるならば、一定の安心感があるといえます。
ウェビナー開催中に、万が一トラブルや不測の事態が発生してしまった場合、それがツールに起因するものであったとしても、信用を落とすのは自社になってしまいます。ウェビナーツールの信頼性や実績について事前に確認のうえ、そのような事態に陥るリスクを低減しておくことが重要です。

サポートの充実度を確認する

ウェビナー開催までの準備期間はもちろん、開催中や開催後のフォローなどにおいても、ウェビナーツールに充実したサポートが付属しているか確認しましょう。サポート内容については、メール・チャット・電話・来訪など、その方法はどのようなものかまでを確認しておくことが大切です。
また、ウェビナーをスムーズに進めるのは開催者側の役割というなか、音声や映像が途切れるといったウェビナー開催中のトラブルに対してもサポート体制が備わっていれば安心して進行できます。

まずは無料で試用してみる

ウェビナーツールには、無料トライアルなど、事前にお試し期間を設けているものがあります。それを活用し、試用することもウェビナーツールを選定する際の大切なポイントです。
試用では、基本の操作方法はもちろん、ユーザビリティなど実際に使った際の感覚が分かります。また、ウェビナーに参加したつもりで操作してみることで、参加者の使い勝手もリアルに検証可能です。資料などに記載されている機能やスペックだけでは読み取れないことが把握できるため、実際に導入してからの理想と現実のギャップを、最小限に抑えやすくなります。

まとめ

以上、ウェビナーのメリットやデメリットに触れながら、主な10のウェビナーツールや、選定する際に意識したい5つのポイントについて、解説しました。
ウェビナーの開催においては、最適なウェビナーツールを選定することによって、その目的を効率的に達成でき、参加者の印象・満足度アップにもつながります。本記事を参考に、ぜひ自社に合ったウェビナーツールを選定のうえ、ウェビナーを成功に導いてください。

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