はじめに

膨大な数のユーザーが日常的に利用しているLINEは、効果的に活用すれば大きな成果につながる可能性を秘めたツールです。昨今は、さまざまな企業がマーケティングに活用し、多くの集客を実現するケースも増えています。
そこで本記事では、LINEで効果的な集客が実現できる理由やそのための機能などに触れながら、LINEでの集客を成功させるコツや、セミナー集客につなげる手法の例を紹介します。

LINEで効果的な集客が実現できる理由

LINEには、効果的な集客を実現するためのさまざまな特徴やメリットが存在します。まずはそれらを把握することが、LINEでの集客を成功させるための第一歩です。以下より、LINEで効果的な集客が実現できる主な理由について、順に解説します。

無料で手軽に開始できる

LINEは無料でアカウントが作成できるため、手軽に開始することが可能です。ついては、コストを気にすることなく、さまざまな施策を実践しながら試行錯誤できるため、成果が上がる可能性が高まります。ただし、公式アカウントの場合、無料のフリープランでは、1ヶ月当たりのメッセージ送信数が1,000通までに制限されているため、注意が必要です。

多数のユーザーが存在する

LINEには多数のユーザーが存在するため、有効な施策を実践すれば、成果につながる可能性が大きいといえます。また、10代・20代といった若年層から、50代以上のミドル・シニア層まで、幅広い年代に支持されているうえ、多くのユーザーが日常的に活用しており、アクティブユーザー率が高いことも特徴です。

高い閲覧率・開封率が期待できる

LINEにてメッセージが送信されると、受信者はプッシュ通知により即座に着信が分かるうえ、シンプルな操作で内容が確認できるため、メールなどに比べて圧倒的に高い閲覧率・開封率が期待できます。また、スマートフォンの普及に伴って日常的に活用されており、ユーザーの生活に溶け込んでいることも、閲覧率・開封率を高めている一因であると考えられます。

コミュニケーションが容易である

LINEには、特定の対象者に向けたダイレクトメッセージのほか、登録されている友だちへのメッセージ一斉配信、指定した時間にメッセージを配信する予約投稿、さらにはチャットやアンケートなど、多彩な機能が用意されており、複雑な操作を要することなく利用できるため、容易にコミュニケーションを図ることが可能です。

タイムリーな情報提供が可能

LINEでは、手軽な操作で簡単にメッセージが送信できるため、DMやチラシといった他の手法に比べ、リアルタイムな情報を効率良く提供することが可能です。さらに、後述するリッチメッセージなどの機能を活用し、タイムリーな情報を視覚的に伝えることで、訴求力をより高められます。

LINEでの集客を実現するための機能

上述した通り、LINEで効果的な集客が実現できる理由にはさまざまなものがありますが、それらを把握のうえ、実際に運用する際には、LINEが備えている機能を有効に活用することが大切です。以下より、集客に活用するためのLINE公式アカウント、およびLINE公式アカウントに用意されている機能について、解説します。

LINE公式アカウントとは

LINEを集客に活用するためには、無料で開設できるLINE公式アカウントが必要になります。LINE公式アカウントは、ビジネスでの利用を想定し、企業や店舗などに向けて提供されているサービスです。
従来、LINE公式アカウントは大企業向けのサービスであり、店舗や中小企業向けには「LINE＠」というサービスが提供されていましたが、現在は、機能や料金体系が整理され、すべてLINE公式アカウントとして統合されています。

LINE公式アカウントで集客に利用できる機能

LINE公式アカウントには、個人が保有している通常のLINEアカウントでは利用できない、集客のためのさまざまな機能が用意されています。以下より、LINE公式アカウントで集客に利用できる主な機能について、順に解説します。

メッセージ配信機能

メッセージ配信機能は、LINE公式アカウントの友だちに対し、メッセージを配信できるものです。それぞれのユーザーに合わせた個別のメッセージが送れるほか、すべてのユーザーに対して一斉に共通メッセージを送ることも可能です。後述するリッチメッセージなどと組み合わせることで、より訴求力の高いメッセージを作成できます。

チャット機能

1対1での会話が可能なチャット機能は、個人アカウントで頻繁に利用されているものですが、LINE公式アカウントにも実装されています。チャットの相手に対し、「要対応」「対応済み」といったタグを付与できるため、それぞれの友だちに対するステータスを管理することも可能です。また、従来のLINE＠ではできなかった複数ユーザーによるグループチャットも、LINE公式アカウントでは可能になりました。

ステップ配信機能

あらかじめ用意されたメッセージを定められたタイミングで順番に送るステップ配信は、メール配信ツールなどではよく見かける機能ですが、LINE公式アカウントでも利用することが可能です。ユーザーの属性に合わせた適切なメッセージやタイミングの設定により、高い集客効果が期待できます。

リッチメッセージ機能

リッチメッセージ機能は、テキスト情報に画像を付加し、1つのメッセージとして配信できるものです。画像によって視覚的にアピールすることで、テキストのみのメッセージよりも訴求力を高められます。また、通常の画像添付と違い、リッチメッセージでは画像にリンクを設定できるため、適切な導線によって集客効果をより高めることが可能です。

リッチメニュー機能

リッチメニュー機能は、LINE公式アカウントのトーク画面下部に表示される大きなメニューです。効果的なアイコンによって、トーク画面に訪れたユーザーをサービス紹介や問い合わせページへ誘導するなど、集客に向けた幅広い活用が考えられます。

LINEでの集客ステップ

LINEの公式アカウントを活用した集客は、複雑な手続きや難解な施策を必要とせず、非常にシンプルです。「見込み顧客となる友だちを増やす」「メッセージ配信で効果的なアプローチを実施する」というわずか2ステップで実現できます。以下より、それぞれのステップについて、順に解説します。

1.見込み顧客となる友だちを増やす

LINE公式アカウントを活用した集客の第1ステップは、見込み顧客となる友だちを増やすことです。まずはとにかく友だちを増やさないことには、リッチメッセージやステップ配信、リッチメニューなど、上述した機能を活用したいかなる手段を講じても、大きな成果にはつなげられません。
友だちを増やすための施策には、友だち登録時の特典付与、SNSやWebサイトでの告知、LINE VOOM（従来のタイムライン）の活用など、さまざまなものがあります。

2.メッセージ配信で効果的なアプローチを実施する

LINE公式アカウントを活用した集客の第2ステップは、メッセージ配信で効果的なアプローチを実施することです。第1ステップによって友だちが増えてきたら、リッチメッセージなどを活用した興味・関心を惹くメッセージ、セグメント機能の利用などにより、訴求力の高い効果的なアプローチを実施しながら、積極的なコミュニケーションを図ります。
その結果、見込み顧客から実際の顧客へ、さらにはリピーターへと、友だちを育てていくことが可能です。

LINEでの集客を成功させるコツ

上述の通り、シンプルなステップで実現できるLINEでの集客ですが、成功率を高めるためには、いくつかのコツが存在します。これまで見てきた内容について理解したうえで、成功させるためのコツをしっかりと押さえながら、運用することが重要です。以下より、LINEでの集客を成功させる主なコツについて、順に解説します。

さまざまな施策で友だちを増やす

LINEによる集客の成功率は、友だちの数が多いほど高くなります。したがって、さまざまな施策によってとにかく友だちの数を増やすことが、成功のための大前提です。友だち登録時の特典付与、SNSや自社サイトを活用した告知とそこからの誘導など、多くのユーザーへの認知拡大および促進活動が鍵となります。
また、例えば、単に特典を付与するだけではなく、一定期間のみ特別な特典を付与する大々的なキャンペーンを実施するといった、他社との差別化や工夫も必要です。

それぞれのユーザーに最適なメッセージを配信する

ユーザーそれぞれに最適なメッセージを配信することも、LINEでの集客を成功させる重要なコツの1つです。ダイレクトメッセージはもちろん、セグメント配信やMessaging APIを活用し、各ユーザーにパーソナライズされた効果的なメッセージを配信することにより、訴求力を最大化しながら、集客につなげられます。
なお、Messaging APIは、ユーザーとの双方向によるコミュニケーションが実現可能な、LINE公式アカウントのオプション機能です。

メッセージの内容を工夫する

メッセージ内容を工夫することで、LINEでの集客を成功に近付けることも可能です。テキストの内容やキャッチコピーに配慮するほか、リッチメッセージを活用し、視覚的にインパクトのある画像でアピールすれば、ユーザーの興味・関心を惹き付けられる可能性が大いに高まります。また、リッチメッセージの画像にはリンクが設定できるため、サービスページや問い合わせページに誘導するのも効果的です。

効果を分析して改善を図る

LINEでの集客に限らず、あらゆるマーケティング施策においては、効果を分析して改善するサイクルを回しながら、ブラッシュアップを繰り返すことが重要です。LINE公式アカウントでは、管理画面であるLINE Official Account Managerにより、効果検証や分析ができます。
LINE Official Account Managerを活用し、友だち数の推移や、配信したメッセージへのリアクション状況などを分析のうえ、その結果を運用にフィードバックして改善サイクルを回すことにより、集客効果を確実に高めていくことが可能です。

LINEでセミナーの集客を実現するための活用例

これまで、LINEを活用した集客について広く言及してきましたが、以下より、セミナーの集客におけるLINEの活用にスポットを当て、具体例をいくつか紹介します。セミナーの集客にLINEの公式アカウントを活用したいとお考えの際は、ぜひ参考にしてみてください。

友だち登録時のメッセージをセミナー集客に活用

ユーザーがLINE公式アカウントを友だちに登録すると、自動的に「あいさつメッセージ」と呼ばれる1通目のメッセージが送られます。初期設定では共通の定型文となっていますが、これをセミナー参加につながる無料登録特典のお知らせなどに変更することで、効率的にセミナー申し込みを促すことが可能です。
友だち登録後、すぐに配信されるあいさつメッセージは、閲覧される可能性が高いため、画像などを活用した効果的な内容を設定すれば、多くのセミナー集客が期待できます。

メールマガジンの代わりにセミナー情報を配信

メールマガジンによる販売促進や告知活動において、期待する効果が得られていない場合は、LINE公式アカウントによる運用に置き換えてみることをおすすめします。
メールマガジンによる情報配信は一方通行となり、受信者の反応を把握することが困難ですが、LINE公式アカウントを活用すれば、タイムリーな情報配信によってユーザーの反応を即座に受けながら、双方向のコミュニケーションが可能となるため、セミナーの参加を効果的に促すことが可能です。

リマインドメールをLINEで送信

セミナーの申込者に対し、リマインドメールを送信すると参加率が高まる傾向があり、セミナーの成功に向けた手段の1つとして活用されています。LINEによるメッセージ配信は閲覧率が高いため、LINE公式アカウントを活用してリマインドメッセージを送信すれば、メールによる運用よりもさらに効果を高めることが可能です。
なお、LINE公式アカウントによるリマインドメッセージは、前述したMessaging APIを利用することで自動送信できます。

最後に

以上、LINEで効果的な集客が実現できる理由やそのための機能などに触れながら、LINEでの集客を成功させるコツや、セミナー集客につなげる手法の例を紹介しました。
繰り返しになりますが、昨今はさまざまな企業がLINEをビジネスに活用し、大きな成果につなげています。活用例として前述した通り、メールなどによる従来のマーケティング活動から、LINE公式アカウントを利用した運用に置き換える動きも進んでおり、今後、その流れはますます加速することが予想されます。本記事を参考に、LINEを活用した効果的な集客を実現し、ぜひビジネスを成功に導いてください。