リフレーミングで顧客に商品の価値を理解してもらう
マーケティング

はじめに
近年組織マネジメントや人材育成でよく使われている「リフレーミング」ですが、営業活動にも使えると考えています。
せっかく良い商品を扱っているのに、同種商品が安売りをしていると高い値段では売れない売りにくいという事はないでしょうか。
そんな時におすすめなのが「リフレーミング」。
リフレーミングを活用することで、あなたの魅せ方一つで、商品・サービスに対する価値への理解に繋がります。
普段の営業活動で、お客様が他社と比較検討中の場合や、セミナーを開催する場合にリフレーミングを活用することにより、顧客の商品の理解を深めることができるため、成約や受注に繋がりやすくなります。
営業活動やマーケティング活動を行うに当たって、リフレーミングを活用し、売り上げの最大化を図りましょう。
リフレーミングは認識の枠組みを刷新すること
リフレーミングというのは、reframing、つまり物事に対する過剰な捉え方の枠組み(frame)を見直して新たな枠組みに更新する事。
例え話でよく言われるのは、コップに水が半分入っている場合に、「水が半分しか入っていない」と考えるのか、「半分も入っている!」と言う枠組み(frame)では捉え方がかなり変わります。
事実はコップに半分の水が入っている事だけですが、捉え方で全てが変わります。
ビジネスで言われるリフレーミングの例としては、アフリカで市場調査を命じられた靴メーカーの2人のスタッフの内、1人は「アフリカでは誰も靴を履いていないので、全く売れないと思います」との報告。
もう1人は「誰も靴を履いていないので、靴を履く習慣や理解を得られればもの凄い市場になります」との報告。
この2人の捉え方の違いでビジネスの判断は大きく変わります。
先のコップの水と同じで、事実は誰も靴を履いていないという事。
そこから先は解釈の問題になります。※どちらが良い悪いではありません。
認知行動療法の礎を築いた心理学者のアルバート・エリスが提唱したABCDE理論というものがあります。
フロイトによる時間のかかる無意識へのアプローチ方法とは対照的に、短時間で効果がある、意識領域へのアプローチ方法として高い評価を得ました。
ABCDE理論とは、以下の通りです。
A(Activating Event):周囲の環境で起こる出来事や人間関係 B(Belief):出来事や人間関係に対する認識の仕方の元となる信念・認知・考え方 C(Consequence):認識の仕方によって起こった結果(気分・感覚・行動) D(Dispute):非合理的な信念や認識の仕方(イラショナル・ビリーフ)を見直す E(Effective New Belief):合理的な信念にリフレーミングする
の5段階から成っていて、経験や環境によって持つことになった非合理な信念を、合理的で現実に即した信念に置き換える事を目的としています。
非合理な信念は、「◯◯◯でなければならない」や「理想的でなければ意味がない」など、義務的であったり完全主義的であるがために現実的ではないという特徴を持っています。
例えば、「失敗をしてはいけない」は、失敗しない方が良いけれども失敗をする事で今後失敗しないようにするにはどうすれば良いかが体験から掴めるというメリットを見逃していると言えます。
「皆に愛されなければならない」は、人にはそれぞれ好みや相性があるので全員に愛される事は難しく、不要なストレスを感じてしまうという事になるでしょう。
それに対して、例えば「失敗の経験は成功に繋げられる」とか「全ての人に愛されなくても大切な人が愛してくれたら良い」などの、非合理な信念を覆すような認識を意識的に持つ事によって、合理的な信念にリフレーミングします。
誰でもある程度は持っている合理的でない認識を現実に即したものに、意識的に変えていくことができ、世界はあなたが認識している通りにあなたの目に映るという事であるようです。
リフレーミングを自社サイトに活用する
リフレーミングは、WEBマーケティングにも活用することができます。
例えばオーダーメイドのカバンなど、手作業で丁寧に作られる商品であれば、受注してから製造に取りかかる方が在庫を抱えなくて済む分リスクが減ります。
でも、すぐに届けられない、顧客に待ってもらうという事はリスク要因でもある訳です。
そこで、商品をいかに丁寧に心をこめて作っているか、そしてそのクオリティの高さをアピールし、顧客は注文してから届くまでの待つ時間も楽しみに思ってもらえるようにする事が可能です。
品質は良いのに、相場の価格に合わせないと売れず利益が出ないような商品やサービスがあれば、その品質を理解してもらうようなWEBページを作り、一般的な同種の商品と比べてどこがどのように良いのかを理解してもらう事ができます。
顧客に了承を得た上で、実例で具体的に、どのようなサービス行い、どのようなところが品質が高いのかを写真や動画で提示するのも良いでしょう。
また、飲食店やエステサロン、ホテルなどの店舗の立地が都会でない場合は集客が難しいと思いそうですが、コミュニケーションを上手に取り入れたり、他ではないサービスを提供するなどして、
わざわざ出向いてでも訪れたい、ある意味観光地のような店舗に育てていくという事も考えられます。
建築家の安藤忠雄先生は正にこの考え方の体現者で、建築した建物を育てると言う考えを持っています。
最後に
相手が持っている課題感に沿ったベネフィットを伝える営業活動も大切ですが、それだけではなくリフレーミングを合わせることによって商品やサービスの欠点と思っていたところをプラスに受け取ってもらえるようになり、訴求力が増します。
リフレーミングを行うことであなたが思いもよらなかった訴求ポイントの発見にも繋がるかもしれません。
認識の転換によって、リスクは価値にもなるリフレーミングで、自社商品への光の当て方を再検討してみましょう。