マーケティング予算配分の決め方6ステップ|重要なポイントと注意点を解説
マーケティング

目次
- はじめに
- 予算配分の考え方
└考え方1: 売上・利益に対する比率で予算を決める
└考え方2: 前年実績を基に予算を検討する
└考え方3: マーケティング目標から逆算して予算を決める
└考え方4: 同業他社の予算を参考にする
└考え方5: 施策の貢献度に応じて予算を最適化する - マーケティングの予算配分は、企業の状況や目標に合わせて、柔軟に調整しましょう
- マーケティングにおける予算の決め方6ステップ
└1.S.M.A.R.T.な目標設定を行う
└2.目標達成に必要なマーケティング施策を洗い出す
└3.各施策の費用を算出する
└4.費用対効果を分析する
└5.予算配分の方法を決定し、各施策に予算を配分する
└6.定期的にデータを分析し、予算配分を最適化する - 予算配分をする際のポイント・注意点
└注意点1:施策ありきで考えない
└注意点2: 重点施策を明確にする
└注意点3: バッファを持たせて柔軟に対応する
└注意点4: 各施策の運用体制を整える
└注意点5: 施策の貢献度を常に見直す - 参考:マーケティング予算を増やす企業は増加傾向にある
- まとめ
はじめに
マーケティングの予算配分について、悩まれたことはありませんか?
マーケティングの予算配分は、マーケティング活動の成否が左右されるため、企業の成長にとって、極めて重要です。
しかし、限られたリソースの中で効果的な配分を決めるのは難しいですよね。
そこで、本記事では、中小企業の経営者やマーケティング責任者に向けて、マーケティング予算を賢く決めるための6つのステップと、注意すべきポイントを紹介します。
これを参考に、自社に最適な予算配分を見つけ、効果的なマーケティング活動を展開しましょう。
予算配分の考え方
考え方1: 売上・利益に対する比率で予算を決める
この方法では、全体の売上や利益に対して、どのくらいの割合をマーケティングに投資するかを決めます。
例えば、売上の5%をマーケティング予算に割り当てるという具合です。
この考え方のメリットは、事業の成長に応じて予算が自動的に変動するため、安定した投資が可能になります。
考え方2: 前年実績を基に予算を検討する
前年のマーケティング活動の成果を元に、今年の予算を決定します。
例えば、前年のキャンペーンが成功した場合、その施策に対してより多くの予算を割り当てることができます。
この方法は、過去のデータを基に判断するため、実績に基づいた合理的な予算配分が可能です。
考え方3: マーケティング目標から逆算して予算を決める
このアプローチでは、まず達成したいマーケティング目標(例:新規顧客の獲得数や売上目標)を設定し、それを実現するために必要なコストを逆算して予算を決めます。
この方法の利点は、目標志向であるため、予算が明確な目的に基づいていることです。
考え方4: 同業他社の予算を参考にする
競合他社のマーケティング予算や施策を調査し、自社の予算に活用する方法です。
業界平均や競合の成功事例を参考にすることで、自社の立ち位置や必要な投資額を把握できます。
ただし、競合と同じ戦略が必ずしも自社に合うわけではないので注意が必要です。
考え方5: 施策の貢献度に応じて予算を最適化する
過去のマーケティング施策の成果を評価し、その貢献度に応じて予算を再配分する方法です。
例えば、あるキャンペーンが非常に効果的だった場合、次回はその施策により多くの予算を割り当てることができます。
この考え方の利点は、データに基づいた柔軟な予算配分ができることです。
マーケティングの予算配分は、企業の状況や目標に合わせて、柔軟に調整しましょう
マーケティングの予算配分は、企業の状況や目標に応じて柔軟に調整する必要があります。
なぜなら、企業がどの成長ステージにあるか、またどのような市場環境に置かれているかは常に変動するため、固定的な予算配分のままでは効果的なマーケティングが難しくなるからです。
さらに、市場環境や消費者のニーズは日々変化しているため、競合他社の動向やマーケットの変化に応じて柔軟に予算を調整することも大切です。
柔軟な予算配分を行うことで、常に最適なマーケティング施策を実施することができ、企業の目標達成に近づくことができます。
マーケティングにおける予算の決め方6ステップ
マーケティングにおける予算の決め方は、計画とデータに基づいたプロセスが不可欠です。
以下の6つのステップを順に追うことで、効果的な予算配分が可能となります。
それでは、具体的な手順を見ていきましょう。
1.S.M.A.R.T.な目標設定を行う
まず、S.M.A.R.T.な目標設定を行いましょう。
S: Specific(具体的)
M: Measurable(測定可能)
A: Achievable(達成可能)
R: Relevant(関連性がある)
T: Time-bound(期限がある)
▼例
例:売上を10%増加させる、新規顧客を500人獲得するなど
このような具体的な目標を設定することで、マーケティング施策の方向性が明確になり、コンテンツ制作や広告運用においても、効果測定やデータ分析が容易になり、途中でも戦略修正や最適化などをスムーズに行うことができます。
2.目標達成に必要なマーケティング施策を洗い出す
次に、目標達成に必要なマーケティング施策を洗い出しましょう。
マーケティング施策は目標達成の手段そのものであり、効果的な施策を選定することが成功の鍵となります。
SEO、SNS広告、コンテンツマーケティング、イベントなど、目標達成のためにどのような施策が有効か検討しましょう。
3.各施策の費用を算出する
次に、各施策にかかる費用を詳細に算出します。
各施策の費用を正確に把握することで、予算配分の効果的な計画を立てることができます。
また、無駄な支出を防ぎ、有効な投資先を決定する基盤となります。
費用を算出する際は、広告費、人件費、ツール利用料など、すべての費用を考慮するようにしましょう。
4.費用対効果を分析する
次に、各施策の費用対効果を比較し、より効果が見込める施策に予算を配分しましょう。
各施策に投入された資金がどれだけの効果を生んでいるかを把握することで、予算の有効性を高め、無駄を省くことができます。
この分析を通じて、無駄な投資を削減し、ROI(投資収益率)が最適化されるので、最終的なマーケティング効果を向上させます。
5.予算配分の方法を決定し、各施策に予算を配分する
次に、予算配分の方法を決定し、各施策に明確な予算を割り当てましょう。
予算配分の方法には、ゼロベース予算、インクリメンタル予算、パーセンテージ法などがあります。
▼ゼロベース予算
特徴 | 毎年、予算をゼロから組み立てる方法。過去の予算実績に左右されず、新しい視点から予算を編成できる |
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メリット | ・費用対効果の低い施策をカットし、新しい施策に予算を振り分けることができる ・組織全体で予算に対する意識を高めることができる |
デメリット | ・予算編成に時間がかかる ・過去のデータに基づいた改善が難しい場合がある |
▼インクリメンタル予算
特徴 | 前年度の予算に一定の割合を加減して、次年度の予算を決定する方法 |
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メリット | ・予算編成が比較的容易 ・過去のデータに基づいているため、ある程度の信頼性がある |
デメリット | ・費用対効果の低い施策に予算が固定されてしまう可能性がある ・新しい施策への投資が不足する可能性がある |
▼パーセンテージ法
特徴 | 売上高や利益に対する一定の割合をマーケティング予算とする方法 |
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メリット | ・シンプルで分かりやすい ・売上や利益との連動性が高いため、経営層への説明が容易 |
デメリット | ・売上が伸び悩んでいる場合、マーケティング予算も減少してしまう ・業界や企業の特性によって、適切な割合は異なる |
自社の状況に合わせて最適な方法を選び、各施策に予算を配分しましょう。
6.定期的にデータを分析し、予算配分を最適化する
次に、定期的にデータ分析を行い、効果が出ていない施策は予算を減らしたり、新しい施策に振り分けたりするなど、予算配分を最適化しましょう。
具体的には、広告キャンペーンのクリック率やコンバージョン率といったKPIを定期的に見直すことで、どの施策が効果的だったかを判断し、リソースを最適な場所に配分することが大切です。
例えば、Google Analytics、Facebook Insightsなどのツールを活用し、詳細なデータを分析することで、より精度の高い判断が可能になります。
予算配分をする際のポイント・注意点
ここからは、マーケティングの予算配分をする際のポイントおよび注意点について紹介します。
注意点1:施策ありきで考えない
施策を先に決めてから予算を配分するのではなく、まずは事業の目標や戦略を明確にすることが重要です。
施策が目標に合致しているかどうかを考えずに予算を決めると、効果が薄いマーケティング活動にお金を使ってしまう可能性があります。
目指すべき成果に基づいて施策を選定し、そのために必要な予算を確保する姿勢が大切です。
注意点2: 重点施策を明確にする
全ての施策に均等に予算を割り当てるのではなく、特に重要な施策を特定して、その施策に十分な予算を投入することが必要です。
重点施策を明確にすることで、リソースを集中させ、より高い効果を狙えます。
これには、市場のニーズや競合の状況を考慮し、どの施策が最も効果的かを判断することが求められます。
注意点3: バッファを持たせて柔軟に対応する
マーケティング環境は常に変化するため、予算配分時には、予想外の機会や課題に対応できるように、一定のバッファを設けることが重要です。
この余裕があれば、新たなチャンスを逃さず、急な調整にも柔軟に対応できます。たとえば、流行のトレンドに即座に乗るための資金を準備しておくと良いでしょう。
注意点4: 各施策の運用体制を整える
施策を実行するためには、適切な運用体制が必要です。
人員やスキル、時間的なリソースが不足していると、計画した施策が十分に実行できず、予算を無駄にすることになりかねません。
予算を決める際には、その施策を実施するための体制や準備が整っているかを確認し、必要な人材を確保することが大切です。
注意点5: 施策の貢献度を常に見直す
予算を配分した施策が本当に効果を上げているか、定期的に評価することが不可欠です。
KPIs(重要業績評価指標)を設定し、その数値をモニタリングすることで、施策の貢献度を把握します。
もしある施策が期待した成果を上げていなければ、早めに見直しを行い、必要に応じて予算を再配分する柔軟性を持つことが重要です。
参考:マーケティング予算を増やす企業は増加傾向にある
マーケティング予算を増やす企業が増加しているというトレンドが見られます。
参考:マイナビニュース「2024年の広告・マーケティング予算「増加予定」と4割以上の企業が回答、注力施策は?」
理由として、企業が競争力を高めるためには、新たな顧客獲得やブランドの認知度向上に注力する必要があるからです。
そのための施策としてマーケティングへの投資が増えているのです。
マーケティング予算を増やすことで、企業は競争力を強化し、市場での存在感を高めることができます。
まとめ
マーケティングの予算配分は、企業の目標達成と成長を支える重要な要素です。
基本的な予算設定から具体的な施策の洗い出し、費用対効果の分析まで、体系的なアプローチが必要です。
この記事で紹介した6つのステップを活用し、効果的なマーケティング予算の配分を行いましょう。
また、定期的にデータを分析し、最適化を図ることを忘れずに実践してください。
今後もマーケティングトレンドを意識し、競合他社の動向をチェックし続けた上で、自社のマーケティング戦略を柔軟に調整していきましょう!