オウンドメディアの戦略とは?効果的な運用方法やSEO対策を強化するコンテンツ作成のポイントまで解説
マーケティング
はじめに
オウンドメディア戦略は、顧客との信頼関係を構築し、ブランドの認知度を高めるために非常に効果的です。
事業の認知拡大のため、オウンドメディアを運用していきたいけれど、基本的知識や戦略設計の仕方、運用のステップなど、わからない方も多いのではないでしょうか。
オウンドメディアの運用の成功で一番大事なのは、戦略設計です。
また、それに加えて、SEO対策の強化が重要です。
本記事では、オウンドメディアの具体的な戦略の設計方法から、運用のステップ、さらに、SEO対策を強化するコンテンツ作成のポイントまで解説いたします。
この記事を読んでいただいたあなたが、オウンドメディア運用の効果を最大化できるよう、サポートいたします。
オウンドメディアの目的
まずは、オウンドメディアを運用するに当たって、その目的を認識しておくことが大切です。
オウンドメディアの主な目的は以下の3つになります。
- ブランド認知の向上
- 顧客との関係構築によるリード獲得
- 競争力の強化
1.ブランド認知の向上
オウンドメディアで、自社のブランドや製品、サービスについての情報を発信することで、広く認知してもらうことができます。
これにより、ブランドの知名度が向上し、見込み顧客の獲得につながります。
2.顧客との関係構築によるリード獲得
オウンドメディアは、顧客と直接やり取りできる有効な場です。
定期的にコンテンツを更新し、役立つ情報を提供することで、顧客との信頼関係を深め、リピーターや、自社に信頼や愛着を持ってくれるロイヤル顧客を育てることができます。
3.競争力の強化
ユニークな視点や専門知識など、オリジナリティなメディアを提供することで、競合との差別化を図ることができます。
差別化されたコンテンツは、顧客にとっての価値を高め、ブランドの競争力を強化します。
オウンドメディア運用において戦略構築が必要な理由
まず、オウンドメディア戦略が必要な理由は、戦略を設計せずに運用を進めると、狙ったターゲットに情報が届かず、成果を上げることが難しくなるからです。
戦略を構築することで、以下を明確にすることができます。
- 誰に情報を届けたいのか
- 何を伝えたいのか
- どのように伝えるのか
また、戦略構築により、目的や目標を見失うことなく、チーム全員が共通のゴールに向かって効率的に運用することができます。
他にも、戦略設計において、「ターゲット選定」や「質の高いコンテンツ制作」などを行うことで、狙ったターゲットに、自社サービスを広めることができます。
そして、オウンドメディアの戦略が整ったら、次に重要なのがSEO対策の強化です。
SEO対策の強化により、検索エンジンの順位が向上し、さらなる流入の増加が見込まれます。
適切なキーワードを用いたSEO施策は、検索エンジンからの流入を増やし、長期的な集客につながります。
まずは、オウンドメディアの戦略設計から紹介します。
オウンドメディア戦略で成功するための重要なポイント
オウンドメディア戦略を成功させるためには、主に以下の4つのポイントが重要です。
このポイントを押さえ、実践に移すことで、効果を上げることが期待できます。
- 成功指標の設定
- 明確な目標設定
- リソースの確保
- PDCAサイクルを回す
1.成果指標の設定
成果指標の設定は、目標達成に向けた進捗状況を定量的に把握しやすくなり、効果的な戦略の見直しや最適化が可能となり、オウンドメディア戦略の効果を最大化します。
成果指標には、「定量的な指標」と「定性的な指標」の2種類があります。
どちらにおいても、以下の重要なポイントを押さえておきましょう。
- 具体的であること
- 測定可能であること
- 達成可能であること
- 関連性があること
- 期限が設定されていること
また、以下の指標は、目に見える形で進捗や成功度を示してくれるため、一般的に成功指標として設定されることが多いです。
- ウェブサイトの訪問者数
- コンテンツの読了率
- リードの生成数
- ソーシャルメディアでのシェア数
- エンゲージメント率
オウンドメディアを通じて、どのような効果を期待したいのかを、あらかじめ考えておきましょう。
2.明確な目標設定(KGI・KPI策定)
目標が明確でないと、どのような方向に進むべきかがわからず、無駄なリソース消費や効果的な戦略が立てにくくなります。
また、目標設定があることで、全体の活動に一貫性を持つことができます。
そのため、まずは、重要目標達成指標(KGI)の策定と、それを達成するために必要な要素である、重要業績評価指標(KPI)を策定します。
具体的な重要目標達成指標(KGI)としては以下の例が考えられます。
- オウンドメディア経由のコンバージョン率を6ヶ月以内に1.5%から2.5%に引き上げる
- オウンドメディア経由の月間訪問者数を1年間で50%増加させる
- 月間ページビュー数を6ヶ月以内に20%増加させる
この重要目標達成指標(KGI)を達成するための重要業績評価指標(KPI)としては、以下の指標が考えられます。
主な指標 | |
---|---|
集客 | セッション数、UU数、オーガニックトラフィック数、ソーシャルメディアのリーチなど |
リピーター獲得(ファン化) | ページ滞在時間、直帰率、回遊率、ソーシャルメディアのフォロワー数など |
成果獲得 | コンバージョン率、リード獲得数、顧客満足度スコア、ROI(投資対効果)など |
このような重要業績評価指標(KPI)を元に、具体的な数値に落とし込み、常にどのくらい達成できているかを確認することが大切です。
3.リソースの確保
オウンドメディアの成功には十分なリソースの確保が不可欠です。
以下が主に必要なリソースです。
人的リソース | プロジェクトマネージャー、マーケティング担当者、コンテンツクリエイター(ライター・デザイナーなど)、SEOスペシャリスト |
---|---|
技術的リソース | CMS(コンテンツ管理システム)、SEOツール、デザインツール、マーケティングオートメーションツール |
財務リソース | コンテンツ制作費用、ツールおよびソフトウェアのライセンス費用 |
全てを社内で内製するのか、一部または全てを外注するのかは、社内の状況によって検討する必要がありますが、これらのリソースの確保がコンテンツの質につながります。
4.PDCAサイクルを回す
PDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルを回すことが重要な理由は、戦略の効果を継続的に評価し改善することで、品質向上や問題の早期発見、リソースの最適化を実現し、競争力を維持できるからです。
具体的には、 Plan(計画)では、重要なポイント2でお話したように、明確な目標設定を行います。
そして、Do(実行)では、コンテンツの作成、配信等を行い、Check(評価)では、効果を分析していきます。
最後に、Act(改善)では、Check(評価)をもとに、改善し、新たなアクションを考案していきます。
オウンドメディア戦略設計のステップオウンドメディア戦略設計で大切なことは、
- 誰に向けて発信するのか
- どんな情報を届けるのか
- どうすれば効果的に情報を届けられるのか
を常に考え、行動することです。ここでは、具体的なステップを一つ一つ解説していきます。
- 現状の課題の把握
- 競合他社リサーチ
- SMART目標の設定
- KPIの設定
- ターゲットの選定
- コンテンツ作成
- モニタリング(効果検証)と分析
- 改善策の策定
- A/Bテストの実施
オウンドメディア戦略設計のステップ
1.現状の課題の把握
まず、戦略の成功を確実にするための出発点として、正確な現状分析が不可欠です。
現状の課題を把握することで、どの部分に問題があるのかを明確にし、それに対する具体的な改善策を講じることができます。
これにより、リソースや予算を最も影響力のある領域に集中させることができ、戦略の効果を最大化することが可能になります。
課題を理解することで、現実的な目標設定や実行可能なプランの策定ができ、リソースの最適配分や効果的な対策が可能になります。
結果的に、無駄な投資を避け、迅速な改善ができるため、戦略の精度が高まり、成功に繋がります。
2.競合他社のリサーチ
次に、競合他社のリサーチを行います。
競合他社のコンテンツや戦略を分析することで、どのトピックやフォーマットが効果的であるかを把握し、自社のコンテンツ戦略をより洗練させることができます。
また、競合の成功事例や失敗事例を学ぶことで、自社の戦略における改善点や新たな機会を見つけることができ、より競争力のあるコンテンツを提供することが可能になります。
3.SMART目標の設定
次は目標設定です。まずは、重要目標達成指標(KGI)の策定をします。
その際、以下のSMARTを意識して策定しましょう。
- 具体的 (Specific): 明確で具体的な目標設定(例:月間訪問者数を20%増加)
- 測定可能 (Measurable): 成果を測定できる指標を設定
- 達成可能 (Achievable): 実現可能な目標を設定
- 関連性 (Relevant): ビジネス目標に関連する目標を設定
- 期限付き (Time-bound): 達成期限を設定(例:6ヶ月以内に)
4.重要業績評価指標(KPI)の策定
重要目標達成指標(KGI)が決まれば、次に重要業績評価指標(KPI)の策定を行います。
重要業績評価指標(KPI)の策定は、「オウンドメディアで成功するための重要なポイント」でお伝えした内容を参考に、具体的に策定することが望ましいです。
目標設定により、進捗や成果を定量的に評価し、施策の改善や調整が可能になるので、結果として、オウンドメディア運用の効率と効果を最大化するために不可欠です。
5.ターゲットの選定
目標設定ができれば、次にターゲットの選定を行います。
ターゲットを選定することで、自社のサービスを認知してほしい層にアプローチを行い、顧客満足度を高めることができます。
(例)若年層向けの美容商品を売りたい場合→若年層が関心を持つトレンドや悩みを取り入れた記事を提供する
また、具体的なターゲット像を描くことで、SEO戦略が立てやすくなり、ターゲットが興味を持つコンテンツを提供することでサイトの滞在時間を延ばし、検索エンジンからの評価を向上させることができます。
適切なターゲットの選定は、オウンドメディアの成功に直結し、コンテンツ作成やSEO対策をスムーズに進めるための鍵となります。
また、ペルソナを選定することで、より精度の高い施策立案ができます。
6.コンテンツ作成
次は、徹底したリサーチをもとにコンテンツを作成していきます。
一番重要なのは、質の高いコンテンツを制作することです。
質の高いコンテンツは検索エンジンでの評価が高まり、ターゲットからの信頼性も向上します。
キーワード調査を行い、ターゲットユーザーが検索している情報や関心事を把握してから、コンテンツを制作しましょう。
具体的なコンテンツ制作については、「SEO対策の強化」で詳しく説明しています。
7.モニタリング(効果検証)と分析
コンテンツを世に出せたら、次はそのコンテンツの効果検証と分析をします。
効果検証と分析を行うことで、どこが成功し、どこに改善の余地があるかを具体的に把握することができ、さらに良い結果を出すための戦略を見直すことができます。
例えば、Google Analyticsを使用するとウェブサイトの訪問数、滞在時間、直帰率などのデータを収集でき、これにより訪問者の行動や利用状況を詳しく分析することができます。
また、ソーシャルメディアのエンゲージメント率を分析することで、どのコンテンツがより多くの反応を得ているかを把握することも可能です。
特定の投稿が高いエンゲージメント率を示していれば、その内容や形式を保ったコンテンツを増やすことでさらなる成功を促進できます。
常に、市場のユーザーの反応をみて、戦略を見直し続けましょう。
8.改善策の策定
効果検証と分析を行ったあとは、迅速に改善を行うことが重要です。
市場やユーザーのニーズは常に変化しているため、オウンドメディアもその変化に対応する必要があります。
適切な改善と最適化を怠ると、競合に対して遅れを取る可能性があるため、市場やユーザーのニーズに対応していきましょう。
9.A/Bテストの実施
改善案の策定が終われば、実際にコンテンツの改善(リライトなど)や、SEOの見直しなどを行い、A/Bテストを行います。
A/Bテストは、2つのバージョン(AとB)を用意し、それぞれを異なるグループに提供して、そのパフォーマンスを比較するテストです。
例えば、異なるタイトルや画像を使用して、どちらがより高いエンゲージメントを得られるかを測定します。
このA/Bテストの結果を分析し、どちらのバージョンが優れているかを評価します。
成果が上回ったバージョンを採用し、今後の運用に反映させましょう。
「SEO対策」を強化する「質の高いコンテンツ」を作成するポイント
オウンドメディアの成功において、重要になってくるのは、SEO対策を強化した質の高いコンテンツを作成することです。
ここで言う「質の高いコンテンツ」とは、検索エンジンが求める基準を満たしたコンテンツを指します。
質の高いコンテンツを作成することで、検索結果に上位表示させることができます。
SEO対策をせずにコンテンツを作成してしまうと、検索エンジンからの評価を受けにくく、コンテンツを読んでほしい人に読んでもらうことができない可能性があります。
以下では、検索エンジンに評価されるコンテンツの作成ポイントをお伝えいたします。
▼SEOを強化するコンテンツ作成のポイント
- ターゲットキーワードを選定する
- ユーザーの検索意図に応じる
- 独自性、オリジナリティがあるコンテンツにする
- コンテンツの構造と読みやすさに気を遣う
1.ターゲットキーワードを選定する
ユーザーが検索する可能性のあるキーワードを調査し、以下の2つのキーワードを特定します。
- ユーザーに検索してもらい、アクセスしてほしいメインのキーワード キーワード例:「SEO対策」
- 複数のキーワードを組み合わせる形で構成された、検索ボリュームが比較的少ないキーワード キーワード例:「SEO対策 初心者 無料ツール」
- このキーワードを、「タイトル」や「見出し」、「本文」などに自然に組み込みます。
過度な使用は避け、自然な文脈でキーワードを配置することが大きなポイントです。
2.ユーザーの検索意図に応じる
ターゲットキーワードが示すユーザーの検索意図を把握し、その意図に応じたコンテンツを作成しましょう。
例えば、「スマートフォン 防水」で検索している人であれば、防水性能のあるスマートフォンを探している人と想像できます。
「Webデザイン トレンド 2024」と検索している人であれば、最新のWebデザインのトレンドを把握し、デザインに活かしたいデザイナーや企業担当者などが想像できます。
ユーザーの課題や質問に対する明確な解決策を提示し、有益な情報を提供することが大切です。
3.独自性、オリジナリティがあるコンテンツにする
たとえユーザーの検索意図を満たしていたとしても、他のコンテンツと内容が類似していたり、独自性やオリジナリティに欠ける場合、検索エンジンからは低品質なコンテンツと見なされ、評価が下がる可能性があります。
そのため、例えば、自社で実施した調査や実験結果、具体的な事例などを盛り込むと、オリジナリティのあるコンテンツになるでしょう。
4.コンテンツの構造と読みやすさに気を遣う
コンテンツの構造や読みやすさにも気を遣いましょう。
コンテンツの構造というのは、見出しやサブ見出し、段落、箇条書きなどの配置のことをいいます。
これらをを使ってコンテンツを分かりやすく構造化し、情報を整理します。
情報を整理することで、ユーザーは視覚的に内容を把握しやすくなり、コンテンツをスムーズに読み進めることができます。
明確な戦略設計でオウンドメディアを成功させよう
オウンドメディアの成功には、明確な戦略が不可欠です。
本記事でお伝えした、オウンドメディア戦略においての重要なポイントを押さえながら、ステップにそって運用を行うことが大切です。
また、コンテンツの効果を継続的にモニタリング、分析しながら、戦略の見直しやコンテンツのリライトなどを一貫して取り組むことで、持続的に成長していくでしょう。
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