中小企業で人手不足はなぜ起こる?本質から導く解消方法を徹底解説
人材開発

「忙しくて大変だから、人を入れたい…」そんな悩みを抱えている中小企業の経営者の方が多くいます。
少子高齢化が進み、人材獲得競争が激化する中、中小企業が抱える人手不足問題は深刻さを増しています。
本記事では、中小企業が実践できる「人手不足の解消方法」について解説します。
さらに、会社が成長しない原因として、人の「数」ではなく「質」が不足していることに焦点を当て、この「人手不足」の本質についても徹底的に掘り下げます。
中小企業における人手不足の現状
日本商工会議所が全国の中小企業を対象に実施した「人手不足の状況および多様な人材の活躍等に関する調査」によると、「人手が不足している」との回答が2023年7月〜8月には、68.0%にのぼり、2015年の調査実施以来最大となりました。
参考:中小企業の68%が「人手不足」、過去最大:日商

出典:東京商工会議所「人手不足の状況および多様な人材の活躍等に関する調査」
上記のグラフからもわかる通り、中小企業の人手不足問題は今後も高まっていくことが予想されます。
では、そもそも人手不足がなぜ起きるのかを見ていきましょう。
人手不足はなぜ起きる?
ここからは、人手不足が起きる原因について、外部要因と内部要因の両面から詳しく見ていきます。
外部要因
少子高齢化による労働人口の減少
少子高齢化が進み、労働人口が減少していることが人手不足の大きな要因です。
少子化により新しく社会に出てくる若年層の人数が減少し、労働市場に新たな人材が供給されにくくなっています。
その一方で、日本全体で総人口に占める65歳以上の割合が年々増加し、高齢化に伴い労働市場から引退する人が増加していることが人手不足に繋がっています。
大企業との競合激化
大企業との競合が激化することで、中小企業は採用競争において不利な立場に置かれます。
大企業は高給与や充実した福利厚生、安定した職場環境といった魅力的な条件を提示できるため、有能な人材を引き付けやすいからです。
その結果、同じレベルの条件を提示できない中小企業は人材確保が難しくなります。
業界のイメージの影響
人手不足が中小企業にとって重大な課題となっている中、その原因の一つに業界のイメージが大きく影響しています。
業界によっては、一部の側面のみが注目され、ネガティブなイメージが広がってしまうことで、求職者に敬遠される傾向があります。
その結果、優秀な人材の確保が難しくなる場合もあります。
例えば、建設業や介護業といった業界は、「過酷な労働環境」や「低い給与」といったネガティブなイメージが持たれるなどです。
これにより、そこに魅力を感じない求職者が多く、結果として人手不足が深刻化します。
内部要因
賃金や福利厚生が低い
賃金や福利厚生の低さが、中小企業における人手不足の要因となっている場合もあります。
大企業と比較して、賃金や福利厚生が劣ることが多いため、優秀な人材が確保できず離職率も高くなりやすいのです。
キャリアアップの機会が少ない
中小企業ではキャリアアップの機会が少ないことが多く、人手不足の一因となっています。
特に中小企業には大企業ほどのポストが少なく、社員がステップアップを望んでもその機会が限られています。
そのため、優秀な人材が他企業に流出しやすいのです。
働き方改革の遅れ
働き方改革の遅れが、優秀な人材の確保を困難にしている場合もあります。
近年、多様な働き方が求められており、従来の働き方を続ける企業は人材にとって魅力的ではありません。
例えば、リモートワークを導入していない企業や、フレックスタイム制度がない企業は、他の企業と比べて競争力が劣ります。
こういった企業は、優秀な人材にとって選択肢に入らなくなることが多いのです。
人手不足が企業にもたらす影響
以下では、人手不足が具体的に企業にもたらす影響について解説します。
業務の停滞・遅延の発生
人手不足により、業務が正常に進まず、遅れが生じます。
特に中小企業では、必要な従業員が不足し、各部署の業務が滞ることが多く起こります。
その結果、企業全体の生産性の低下に繋がります。
新規事業の展開の遅延・中止
人手不足が新規事業の展開を遅延させる、または中止に追い込む可能性があります。
必要なスキルを持った人手が不足していると、新規事業の計画や実行が滞りやすくなります。
また、既存のスタッフに負荷がかかりすぎるため、モチベーションの低下や業務の非効率化が生じることもあります。
離職者の増加
人手不足が続くと、従業員の負担が改善されず、退職や転職を決断する従業員が増えていく可能性があります。
そして、離職者が増えると、経験やスキルを持った人材が減少し、業務の効率が低下していく可能性があります。
また、新しい人材を採用するためのコストや時間もかかります。
例えば、ある中小企業では毎年数名の離職者が出て、そのたびに新たな人材を採用するための求人広告や面接に多大な時間とコストを費やす必要がありました。
そして、離職者の増加は、企業の評判を悪化させ、採用に悪影響を及ぼす可能性があります。
上記の様々なリスクを考えた上でも、離職者の増加は防ぐべきでしょう。
人手不足の解消方法
ここからは、一般的な人手不足の解消方法をお伝えします。
多様な働き方を認める
多様な働き方を認めることは、人手不足解消の切り札となるでしょう。
最近の労働市場では、リモートワークやフレックス勤務など、多様な働き方を求める傾向が強まってきています。
そのため、中小企業が柔軟な働き方を提供することで、様々なバックグラウンドを持つ幅広い人材を採用しやすくなります。
中小企業が多様な働き方を認めるためには、まず従業員のニーズを把握し、柔軟な勤務形態を導入する準備を進める必要があります。
中小企業でも多様な働き方を提供し、魅力的な職場環境を整えることで、人手不足の解消だけでなく、企業全体の成長と発展にもつながる重要な戦略であると言えます。
給与や福利厚生を見直す
給与や福利厚生が不十分な企業は優秀な人材を引きつけることが難しく、他社に人材を奪われがちです。
例えば、給与の引き上げや、上記でも紹介した、リモートワークの導入、フレックスタイム制度など、柔軟な働き方をサポートする福利厚生を提供することが求められます。
また、社員の意欲を引き出し、仕事への満足度を向上させるために、キャリアアップの機会や定期的なフィードバックを充実させることも重要です。
給与や福利厚生の改善は、人材の定着率向上に直結します。
従業員一人ひとりのニーズを考慮し、ワークライフバランスを重視した環境づくりを進めることが不可欠です。
コミュニケーションを活性化させる
職場内のコミュニケーションを活性化させることで、従業員のモチベーションと生産性を向上させることができます。
良好なコミュニケーションは、チームメンバー同士の信頼を築き、業務の円滑な進行を促進します。また、従業員が意見を自由に共有できる環境は、問題解決や新しいアイデアの創出にもつながります。
例えば、定期的なチームミーティングやフィードバックセッションを設けること、また社内SNSやチャットツールを導入して即時コミュニケーションが取れる体制を整えることが効果的です。
コミュニケーションの活性化により、従業員のエンゲージメントを高め、人材の定着率を向上させることが可能です。
「人手不足」の原因は、人の「数」ではなく「質」
ここまで、「人手不足」の原因と、その解消方法についてお伝えしてきましたが、果たして悩んでいる原因は、人の「数」なのか、はたまた人の「質」なのでしょうか。
人の「数」であれば、上記の方法で一時的には解決できるかもしれません。
しかし、「人手不足」の本質は、人の「質」が足りていないことにあるかもしれません。
要するに、「会社をより良くしたいと行動している」、「経営意識を持っている」などといった人材が社内にいないことに困っているケースが多いのではないでしょうか。
以下では、「人手不足」に悩む中小企業が行うべきことをお伝えします。
「人手不足」に悩む中小企業が行うべきこと
1.「人手不足」ではなく、「組織の生産性」に着目する
「人が増える」ということは、一人当たりの利益が下がる可能性があります。
意識しなければいけないのは、「一人あたりのかつ時間あたりの粗利額」がどれくらい出ているのか、いわゆる「生産性」です。
この「生産性」が人を入れることで上がっていくことが理想ですが、もし減っていっている場合、会社は、人件費だけが上がり、収益は上がっていない状況になります。
- 収益が上げられる
- 活躍できる
- 未来の事業やサービスを生み出せる
上記のような人材が入らない限り、会社は良くならないというのが現実です。
そのため、まずは「組織の生産性」を第一に考えて行動していくことが大切です。
以下で具体的な行動について説明します。
2.新卒採用に力を入れる
会社にとって、将来活躍できる人材を採用したいなら、「新卒採用」が最も効果的です。
「80:20の法則」ともいわれ、「売上げの8割は2割の社員に依存する」といった傾向をさす。集団の報酬や評価が一部の構成員に集中するという経験則。
引用:パレートの法則 | 用語解説 | 野村総合研究所(NRI)
上記の法則がある通り、この20%の人材をどれだけ組織の中に入れられるかが、社員の「質」を上げる上でとても大切になってきます。
そして、この上位20%の人材を採用できる確率が一番高いのが「新卒」です。
理由は、同じ年次に生まれた人が同じ時期に就活をするため、中小企業はその年に生まれた上位20%の人材を採用できる可能性があるからです。
中途採用だと、その人の年次がわからないため、上位20%を狙って採用することが難しいといえます。
また、今社会で活躍している人たちは、下記のような人材です。
- その会社で出世している
- 独立して会社を作っている
- ヘッドハントされている
そうなると、転職サイト等に、上位20%の人材がいる可能性はかなり低いといえるでしょう。
上記の理由から、中小企業が、人の「質」を上げていくには、自由マーケットで狙いを定めて採用をする「新卒採用」が非常に重要だといえます。
会社の質を高める「新卒採用」の勝ちパターンを教えます。
3.「人手不足」に対しての行動や発想を変える
「人手不足」で悩んでいる方は、まず以下の3点を今一度考え直す必要があります。
- 本当に「人」が必要なのか
- 非効率なところはないのか
- 本当に「社員」がやらないといけない仕事なのか
まず、「人手不足」で悩んでいる中小企業の経営者様は、本当に人の「数」で悩んでいるのか、はたまた、その仕事は「社員」がやらなければいけない仕事なのか、今一度考え直す必要があるかもしれません。
多くの企業で、意外と無駄な仕事を「社員」がしているケースがあります。
もし一時的に人手が必要なのであれば、「社員」として人を雇うのではなく、アウトソースするという選択も良いのかもしれません。
「社員」として雇う必要性がある人はどのような人なのかということを、今一度考え直すことが重要です。
中小企業が採用活動に苦戦する理由
とはいえ、中小企業が採用活動に苦戦していることも事実です。

(※1)調査対象年度のうち、2023年度の新卒・中途採用における採用人数を集計。
(※2)年商規模ごとに採用人数の比率を算定。(分母は各年商規模ごとの企業数、分子は各採用人数を選択した企業数)
(※3)本問の回答者は7頁で「募集を行い、予定した人数を採用できた」、「募集を行ったが、予定した人数には達していない または、引き続き募集を行っている」、「その他」を選択した企業
出典:中小企業の人材確保に関する調査(2024 年 1 月)
新卒採用においては、特に企業規模の小さい企業ほど苦戦しており、年商5億円以下の企業では募集を行っている企業のうち、過半数の企業で採用ができていない状況であることがわかります。
では、中小企業が採用活動において苦戦する主な理由は何なのか、解説します。
1.採用戦略ができていない
多くの中小企業は明確な採用戦略を持たないために優秀な人材を確保できません。
計画的な採用戦略がなければ、企業が求める具体的なスキルや経験を持つ候補者を見つけることが難しくなります。
例えば、求人広告を出すだけで終わってしまい、ターゲットとする人材にリーチできないケースがよく見受けられます。
効果的な採用戦略を持つことは、人材確保の成功の鍵となります。
「新卒採用」の勝ちパターンを知り、優秀な人材を確保したい方は、以下の動画資料をご覧ください。
2.施策の立案・体制づくりができていない
施策の立案や体制づくりが不十分だと、採用活動が効果を発揮しない原因となります。
効果的な採用活動には、明確な戦略や計画、そしてそれを実行するためのしっかりとした体制が必要だからです。
例えば、採用目標やターゲット層を明確にし、それに基づいて求人媒体の選定や面接プロセスの標準化を行うことが不可欠です。
戦略的な施策の策定とその実行体制の強化を行い、現状の課題を把握し、中長期的な視点で施策を立案し、実行に移す体制を整えることが中小企業の成功の鍵となります。
最後に
本記事では中小企業が直面する「人手不足」の解消方法や、「人手不足」の本質について解説してきました。
「人手不足」で悩まれている経営者様には、今一度、本当に人の「数」が足りていないのか、「社員」として雇う必要性がある人はどのような人なのかを考える必要があります。
また、「中小企業が採用活動に苦戦する理由」を紹介しましたが、株式会社Legaseedの近藤氏が、新卒採用を諦めている経営者様に向けて、650社以上で効果実証済みの新卒採用の勝ちパターンをお伝えした無料動画資料がございます。
- 「今なぜ自社で人手不足が起きているのか」
- 「なぜ優秀な人材が集まらないのか」



