
目次
はじめに
セミナーをスムーズに進行するためには、オンライン・オフラインにかかわらず、適切なタイムスケジュールの作成が不可欠です。設定された時間が短すぎればセミナーで伝えるべき内容を伝えきれず、逆に長すぎれば待ち時間も長くなり、参加者の不満につながります。そのため、本番の流れを細かくシミュレーションし、各工程に適切な時間を設定することが大切です。
本記事では、セミナーのタイムスケジュールを作成する際のポイントや注意点に加え、具体的なテンプレートも紹介します。セミナー運営のなかでタイムスケジュールの設計に悩んでいるという方は、ぜひ参考にしてみてください。
セミナーのタイムスケジュールを作成する際のポイント

まずはセミナーのタイムスケジュールを作成する際のポイントを紹介します。以下3つの点に注意して作成することで、本番当日も慌てることなくスムーズにセミナーを運営できるでしょう。
- 準備・移動には余裕を持たせる
- 細かくシュミレーションしておく
- ヌケ・モレがないかチェックする
準備・移動には余裕を持たせる
セミナー運営ではオフライン・オンラインを問わず、当日の準備や移動に想定以上に時間がかかるものです。
特に、会場を設営する必要があるオフラインセミナーの場合、机や椅子、機材、資料など準備すべきものが少なくありません。例えば、椅子の数が足りないことがわかり、追加で確保する必要が生じた場合、少なくとも見つけてくるのに5分はかかるでしょう。そのような小さな「想定外の状況」が続けば、徐々に時間の余裕がなくなっていきます。
オンラインの場合でも、通信不良や機材の不調など、思わぬトラブルによって遅れが生じる可能性があります。配信開始が遅れれば、スケジュール全体が後ろ倒しになってしまいます。
本番中に参加者を待たせすぎるのはよくありませんが、運営チームの拘束時間が多少長くなるだけで済むなら、時間にはできるかぎり余裕を設けておくべきだといえるでしょう。
細かくシュミレーションしておく
本番当日を想定して細かくシミュレーションしておかなければ、適切なタイムスケジュールは作成できません。
例えば、以下のような部分にそれぞれ何分程度かかるかを想定しておくだけでも、より精度の高いスケジュール作成につながります。
- セミナー開始時の司会者による説明にかかる時間
- 休憩時間に参加者がトイレに行って帰ってくるまでにかかる時間
- グループワークをする場合の机・椅子の配置変更にかかる時間
細かすぎると感じるかもしれませんが、5分と想定していた工程に10分かかれば、そのぶんセミナー全体の進行が遅れることになります。
また、オンラインの場合に忘れがちなのが、ウェビナーツールの操作方法の説明です。初めてツールを使用する参加者もいるため、十分に説明しておかなければチャット機能や質問機能をうまく使えず、参加者の満足度が低下することになります。事前に申し込み完了メールやリマインドメールなどで操作方法を説明するとともに、ウェビナー開始時にも参加者が画面を見ながら確認できるよう改めて説明することが大切です。
ヌケ・モレがないかチェックする
タイムスケジュールを作成し、参加者に案内してしまったあとでは修正が難しくなるため、ヌケ・モレがないかはよくチェックしておきましょう。
例えば、セミナー終了時のアンケート回答が挙げられます。「後日メールで依頼すればよい」と考える方は多いですが、セミナー参加中にその場で依頼したほうが回答率がよくなる傾向にあるため、ぜひ盛り込んでおきたいポイントです。
また先述のとおり、オンラインの場合はウェビナーツールの操作説明が必要です。さらに、ウェビナーならではの「Q&A機能を使った質疑応答」などの時間をしっかり設けることで、スムーズかつ充実したセミナー運営につながります。
セミナータイムスケジュールのテンプレート
タイムスケジュール作成のポイントがわかったところで、具体的なテンプレートを見てみましょう。オフラインとオンラインそれぞれ紹介するので、スケジュール作成のたたき台としてぜひご利用ください。
オフラインセミナーの場合
オフラインセミナーにおけるタイムスケジュールのテンプレートは以下の通りです。机や椅子、機材などの設営に十分な時間をとっておくことがポイントです。

オンラインセミナー(ウェビナー)の場合
オンラインセミナーにおけるタイムスケジュールのテンプレートは以下の通りです。オンラインならではのトラブル対応を想定しておく必要があります。

【工程別】セミナータイムスケジュール作成時の注意点
ここで改めて、事前準備・本番中・終了時の3つの工程に分けて、スケジュール作成の注意点を紹介します。
事前準備
オフライン・オンラインにかかわらず、セミナー本番中にスムーズに進行できるかは事前準備にかかっているといっても過言ではありません。
オフラインであれば、受付の設営や案内役の配置、機材チェック、資料の配布、参加者の入室など1つ1つの作業、状況を想定したうえで十分な時間を設定することが大切です。
オンラインであれば、機材を揃えるだけでよいため事前準備は簡単だと思うかもしれません。しかし、早めにウェビナールームを立ち上げておかなければ、アクセスしようとした参加者から「参加できない」との問い合わせが来る可能性が高いです。余裕を持って立ち上げることで直前に問い合わせが殺到するのを避けたり、参加者としてログインすることで支障がないか確認したりとやるべきことは意外と多くあります。
本番中
本番のスケジュールを検討する際のポイントとしては、まず司会の挨拶や当日の流れの説明にも時間を確保すべきである点が挙げられます。特にオンラインの場合、ウェビナーツールに慣れていない参加者も多いため、以下のような内容を最初に伝える必要があります。
- 案内事項をチャット機能に投稿しているため、確認してほしいこと
- 質問にはQ&A機能を使ってほしいこと
- 投票機能を使って講演中にアンケートをとる可能性があること
これらの説明を十分に行なうことで、参加者が戸惑うことが少なくなり、満足度の高いセミナーとなります。また、目安として1時間半を超えるようなセミナーであれば、途中で休憩をはさむのを忘れないようにしましょう。
終了時
セミナー終了時にもやるべきことはあるため、気は抜けません。
質疑応答やアンケート回答を予定に入れるかどうかなどによって、確保すべき時間は変わってきます。また、会場を借りている場合は、終了時間までに片付けがすべて完了するよう余裕を持って参加者に退室してもらう必要があるでしょう。
各工程に余裕のないスケジュールにしてしまうと、セミナーの最後に自社商品・サービスの紹介を予定していた場合など、十分な時間がとれなくなります。セミナーをマーケティング戦略の一環として活用している場合は、最大の目的である顧客獲得のチャンスを失うことになり、本末転倒だといえます。
タイムスケジュールに沿ってセミナーを進行するためのコツ

最後に、セミナーをタイムスケジュール通りに進行するためのコツとして、以下の5点を紹介します。
- 参加者への案内を徹底する
- 講演者・運営チームへの確認を徹底する
- 各工程にバッファをとっておく
- 起こりうるトラブルのリスクと対処法を共有する
- 当日のシミュレーションを入念に行なう
参加者への案内を徹底する
まず、本番当日までに参加者への案内を徹底することがスムーズな運営には不可欠です。
オフラインであれば会場への入室、オンラインであればウェビナールームへの入室がスムーズに行なわれるよう、参加者に手続きを案内しておきましょう。具体的には、オフラインであれば、受付で参加者証と名刺の提出が必要であることなどが挙げられます。オンラインであれば、会社から貸与されたパソコンのセキュリティによってはウェビナーツールが使えない場合があるため、事前にチェックしておいてほしいことなどが挙げられます。ウェビナーへの参加方法をPDF資料などにまとめ、事前に送付しておくのも効果的です。
講演者・運営チームへの確認を徹底する
さらに、講演者や運営チームに対しても、当日の流れをしっかり説明しておくことが大切です。
機材のチェックを誰が行なうのか、トラブルや問い合わせがあった場合にどのように対応するのかなど、細かい手順まで事前に決めておくべきです。それぞれの対応に手間取れば、セミナーはスケジュール通りに進まないでしょう。
特にオンラインの場合、参加者への説明が不十分であれば問い合わせが殺到することになります。予定している説明内容が十分かどうか入念にチェックするとともに、「同様の問い合わせが続いた場合は全体でアナウンスする」など、トラブル時の対応フローを決めておくことも重要です。
各工程にバッファをとっておく
どれだけ入念に準備をしても、想定したスケジュール通りに進行することは稀です。
同様のセミナーを何度も繰り返し、要領を掴んでいる場合であれば問題ありませんが、慣れるまではすべての工程にバッファを設けておきましょう。当日、余裕をもって対応できるかがセミナーの成否を分けるポイントになります。
起こりうるトラブルのリスクと対処法を共有する
また、セミナーの各工程で起こりうるトラブルのリスクを洗い出し、事前に対処法まで決めておくことも重要です。トラブルを想定し、パターン化して対応を決めておくことで、当日スムーズに対応できるようになります。
対処法については、運営メンバーの合意をとったうえで、リスト化して関係者間で共有しておきましょう。
当日のシュミレーションを入念に行なう
もっとも重要なことは、本番の会場、本番の機材で当日のシミュレーションをしておくことです。
頭のなかでどれだけシミュレーションをしていても、例えば「機材のコードが届かない」「ウェビナーの映像を撮影するカメラの設置位置がうまく定まらない」など、想定外のトラブルは発生するものだからです。
本番のメンバーを集め、本番と同じ時間帯にシミュレーションを実施し、できるかぎり問題を事前に解消しておくことで、本番中のトラブルのリスクを最小化できます。
まとめ
本記事では、セミナーのタイムスケジュールの作成方法について、ポイントや注意点、テンプレートを紹介しました。従来のオフラインのセミナーに加え、近年増えているオンラインセミナー「ウェビナー」での対処法も解説しました。
オフライン・オンラインいずれの場合でも、重要なのは本番の状況を細かく想定し、余裕を持ったスケジュールを設定することです。セミナー当日に想定外のトラブルが起こり、結果として時間が押してしまい、伝えるべき内容を十分に伝えられないといったケースが少なくありません。
多少のトラブルにも余裕を持って対応できるスケジュールを組むとともに、関係者間で対応方法を整理しておきましょう。本記事のテンプレートを活用し、最適なタイムスケジュールを作成してみてください。